金地金、個人の売却増:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO45906710Q9A610C1QM8000/
記事のポイント
金価格が国内の買い取り価格が1グラム5000円に近く売却する個人が増えている
6/8 金急伸 1350ドルの天井に迫る:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO45845510X00C19A6EN2000/
記事のポイント
米国で金価格が1トロイオンス1340ドルと1350ドルの壁を突破して上昇しそうな勢い
原因は世界情勢不安、FRB利下げ観測、新興国の積極的な金購入姿勢
記事の内容で世の中で起こっている現象について
今、世界は米ドルが基軸通貨、その他の通貨が衛星通貨の役割をしていて、モノの取引は殆どが米ドルでいくらとカウントしています。
これを各国なら各国の通貨で換算して国内の取引価格にしています。
世界で貿易を行う際にどこに行っても米ドルは使える通貨で、これを握るアメリカは自国通貨を刷れば刷るだけモノを買える立場にいます。
その米国が勢い良ければ米国にお金が集まり、調子悪ければ米国から出て行きます。
今までは米国は調子良かったけれど各国と揉め事が増えてきたことと、景気に陰りが出てきたことで景気刺激策として金利を下げる方向に動いています。
今までほど米ドルに預けている魅力が無くなりつつあります。
しかし、通貨は売却すると必ず別の通貨に変えないといけません。が、米ドルの次に大きなユーロもイギリスポンドも不安定だし、日本円は金利が付かずそれぞれ魅力が無いのが実情です。
よって紙のお金ではなくて実物資産の価値のある代表選手の金にお金が向かっていると書いていて、一方で日本の個人は高くなって利益確定売りを出しているようです。
金は米ドルで主に取引されますが、米ドルとは逆相関の関係に伝統的にあり、米ドルが売られると金が買われます。また、金そのものに人々が価値を認めているため、米ドル以外の通貨を使う人々も自国通貨以外の価値ある資産として金を購入する人が多いです。
新興国の行動は、記事ではロシアや中国が積極的な買いを入れていると書いてますが、これは米国との関係悪化で貿易で使える米ドルが調達できなくなる恐れがあって、諸外国では貿易でロシアルーブルや中国元を代金として受け取ってくれる国は少ないため米ドルに代わって価値のある金を貯蔵目的で保有しようとしているのが目的だと考えられます。
金ならば外国も代金として受け取ってくれるからです。
金について
では、金は本当にどんな価値があるのでしょうか?
金には金利がつきませんし、食べられません、置いているだけならただの金属の塊です。
しかし、各国の人々は金には価値があり続けると思ってます。
美術館に行くと海外の貴族の秘宝展があって女性がわぁ!綺麗!と感嘆するのがよく見られます。
下世話な話ですが、このわぁ!綺麗!を価格で表して毎日取引しているのが金取引市場になります。
そしてわぁ!綺麗!と思うことが資産としてとても重要です。価値を金に認めているからです。
例えばこれが金ではなくてブロンズのピカピカしているのものであれば、ふーん、銅でも綺麗なのねとなり、どうでもいいことになります笑
もちろん銅にも価値がありますが金よりずっと低いです。
金が価値があると言われる根拠はいくつかあります。保存がきく、小分けしやすい、世の中に出回る量が少なく、今後も余り大きく取れないこと、伝統的に世界共通の通貨として使われてきた歴史があることがあげられます。
まず、金は腐食しない、燃えないなどの特性がありずっとそのままの形で置いておけます。
また、柔らかいため切りやすいです。
産出量ですが、世界にある量が約18万トン程度と言われており、埋蔵量も5万トン程度で年間産出量も3000トン程度なのでいずれ枯渇すると言われています。
掘り出すのも大変で金鉱山の岩石1トンから3グラム程度しか取れないそうです。
コストもかかるためとても高い金属になります。
また、古代から宝飾品として使われたり通貨の裏付けとして金の保有量に応じて各国の通貨レートを決めていた時代もあり、通貨としても馴染みある商品です。
世界で通貨として使われることは無くなりましたが、金の現物を保有しておけば有事の際に持って逃げられます。海外の貴族が宝石や金で着飾っていたのは権力や財力を誇示する狙いもありますが着たり被ったり出来る財産の側面もあるのであれだけ豪華になったとも言えます。
日本は海に囲まれているから逃げても限界ありますから宝石で身を纏う文化は根付かず、金を財産としてみる文化も余りないです。
ただ、お金が印刷もしないでどんどん中央銀行によって生み出される時代になったので資産の価値の保存として長期的に金もありかなと思います。
金融商品でも出来る金投資と擬似金投資
金を財産に取り込む方法は主に4つあります
1、金の現物を買いに行く
これは田中貴金属や第一商品など現物を直接買える会社の窓口で現物を買います。
金が使われている仏具や宝飾品を買う手段もありますが業者のマージンが高かったり実は大した価値が無かったりしますので注意が必要です。
値崩れしにくい種類の時計などはありかもしれません。
2、金に連動する金融商品を買う
ETF投資を活用して金に連動する資産を買う手段です。
最も金価格そのものに連動するのが
SPDRゴールドシェア(GLD)です
https://www.bloomberg.co.jp/quote/GLD:US
金をETFが保有、保管していて交換はできませんが金の裏付けがある金融商品で、米ドル建ですがほぼ金価格に一致しています。
1326 SPDRゴールドシェア
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=1326.t
これは上記のGLDに連動する国内のETFです
為替が影響を受けます、基本的には同一商品です。
1328 金価格連動型上場投資信託
https://nextfunds.jp/lineup/1328/
金の先物に投資をして同じ価格の連動を目指すETFです
2036金ダブルブルETN
http://nextnotes.com/lineup/detail/goldbull.html
金価格の値動きの倍動く事を目指して動く上場投信です、逆の動きをするダブルベアもあります
3、金鉱山を保有している株式を対象としたETFを買う
ヴァンエック ベクトル金鉱株ETF GDX
ヴァンエック ベクトル中古型金鉱株ETF GDXJ
https://www.bloomberg.co.jp/quote/GDX:US
https://www.bloomberg.co.jp/quote/GDXJ:US
金鉱山を保有している世界の企業の株式に投資をします、金価格よりはるかに値動きが激しいです
特にGDXJは規模が小さい会社が多いので特に激しいです
4、金に関わる会社の株を買う
7456松田産業
5855アサヒプリテック
これらの会社は金のリサイクルを行っています
この他にも選択肢はありますが、代表的なところを集めてみました。
注意点としては先物を活用している金融商品は先物をつなぐコストが基準価格に反映されるので少し現物との動きが時間が経つと乖離するリスクがあります。
また、個別の株や金鉱株は金価格と別に企業業績もあるので完全には連動しないです。
ヘッジとして優れているのはやはり現物を買うこと、次にGLDを買う事だと思います。
ただ、それだけだと為替の動きに勝てなくなるリスクが大きいのでGDXやGDXJを一部組み合わせてポートフォリオを組むのがよさそうに感じます。
ヘッジ手段の一つとして金や金関連金融商品もありだと思います。