著者紹介
朝香友博さん
本が書かれたのは2013年の9月です。
この前の4年間で6つの10倍株をヒットさせ、
投資プロマガランキング1位を獲得したブログ「大化け株投資のすすめ」を主宰されてます。
年間500社に及ぶ企業の売り上げ拡大や見本市を中心とした市場開拓を支援されているそうです。
目次
- 序章 15分でわかる「10倍上がる株で勝つ」入門
- 第1章 リスクが大きいようで小さい10倍株投資
- 第2章 大化け加速サインを見抜く「チャート3点分析」
- 第3章 大化けする株の経営・財務
- 第4章 さあ、10倍期待の成長株をピックアップしよう
- 第5章 中長期投資で、これだけはやってはいけないこと
- 第6章 明日のスター企業を探し求めて
- あとがき
です。
本書の内容と読んだ上での感想
投資の勉強を2人の人に教えたところ、何時間もかけて教えた人より短時間で要点だけ教えた人が成績が良かった結果になったそうです。
その要点とは
- 1年半来終値高値の株価になっている
- 週足で平均以上の出来高がある
- 上昇優位のローソク足(上昇力が下落力より少しでも上回っていればよい)
- この3点を満たした時に大化け加速サイン点灯とする。
- そして会社分析を行い、合格であればこの大化け加速サイン点灯後の翌週に買い
- 下落は我慢
会社分析の要点は
- 時価総額1300億円以下、手持ち資金小さい場合は250億円以下
- 自社株を保有する経営陣が大株主に入っているか(オーナー企業であるか)
- 売上が5年前比で1%でも増収で、かつ予想売上が増収
- 予想営業利益が増益または黒字転換か
- 会社四季報で拡大、増益などポジティブコメントがあればOK
だそうです、このほか、会社の財務内容を判断するポイント等についても本書では詳しく書かれています。
買うときの注意点は
- 1銘柄につき3-5単元購入
- 買う銘柄の種類も5-10銘柄に分散購入
売るときは
- 3倍、5倍、10倍で利益確定
- 撤退は1年半の期間で最も安い株価になったらいやでも撤退
- 魅力的な会社がこのラインを割れない間は買い増しのチャンス
です。
分散投資を行う理由は全体のリスクを減らすためで、1銘柄でも大きく伸びるとその他を大いにカバーしてくれるからです。
また、スタイルとしてはデイトレはしないそうです。
勝ち組、負け組についても記述があって、
損切で62%、利確で76%の人がルールを持っていない。
負け組の特徴は予算内で購入できる、著名な大企業、優待が魅力、注目のテーマで銘柄を選ぶ傾向がある。
と書かれてて、自分が負けた時を思い浮かべると、該当します。
調べて何となく上がりそうと思うと余り考えずに買い、買った翌日から気になり、下がってしまうと不安になってしまって売却してしまう・・・を繰り返してました。
勝ち組の特徴は投資ルールを設定したうえで、時間軸を長くとり、有望な企業に投資をしている傾向がある。
なるほどと思いますね、短期の上下動は気にしない、ギャンブルにしてしまわないことが大切ですね。
また、最初に1年半以内で高値更新した株を購入する上で企業分析をどのように行っているかを丁寧に書いてくださってます。
四季報を活用し、売り上げが伸びているか、今後も伸びそうかなどの分析を著者の目線でポイントをわかりやすく解説しています。
その他、指標としては著者はROEではなく、ROAを大切にしているそうです。
逆に株価が、1年半内で最も安い株は避けることとしています。
買うポイントと逆ですね。
また、個人投資家が陥りやすい「わな」の解説では極端にPERが低い、PBR1倍割れ=割安とのサインを鵜呑みにしないとも書かれています。
単純にPERが安い株だと実は倒産寸前だったなんて話はよくありますからね。
また、本書内では投資哲学も紹介されています
- (何を)自分が将来性を理解でき、底堅く過熱感のない上昇域の大きい銘柄を
- (いつ)中長期投資家の美人投票がスタートしたときに買い、相場のトレンドに乗って、利益を上乗せし、
- (いつ)最大多数の投資家が中長期の上昇を見かねて我も我もと飛び乗ってきたときに大部分を売りぬき、
- (いつ)さらに直近安値割れ、大きな節割れで売り、1年半来終値安値では撤退する
と明確です。
ここまでシンプルなスタイルにまとめるまではとても時間がかかったと感じます。
そして、非常にたくさんの方が挫折してしまいそうなポイントですが、とても大切なのが以下の一文で、
超長期投資に欠かせないのは「絶対に成功するぞ」という自らの強い意志と忍耐、知識と習慣。
とあり、株価が下がった時に折れてしまいそうなときに強い意志で耐えることの大切さ、また、耐えられる精神を支える分析の重要さを説いてくれてます。
手法自体は非常にシンプルでわかりやすいです。
最初に1年半内に高値を更新した銘柄を買いに行くと書いてあり、「大丈夫?」と思いましたが、裏には四季報分析などで会社が成長すると確信を持ち、その上での投資であって、単純な高値追いを推奨している訳ではないです。
本の中ではスクリーニングの仕方、四季報を読む上でのポイント、実際に10倍株になった株のチャート、エントリーポイントなどが詳細に記されていて、読んでいてわくわくします。
ご注意
※ブログだけだと一部しか紹介は出来ていないのでご興味を持ちましたらぜひ本をご購入下さい。