低金利下の運用とリスク

「人生100年」超長期債で備え 2019年6月21日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO45949340R10C19A6EA1000/

  1. 三菱地所が4月に国内でははじめての50年債を発行、JR東日本も計画中
  2. 三菱地所の利率は1.132%と高いわけではないが150億円の需要を集めた
  3. 主な買い手はソニー生命、終身保険などで引き受けた保険は顧客に対して長期での運用と利回りを保証する様なもの、裏側では長期的な運用ができる商品を探しており、今回の発行はソニー生命ありきでもあった
  4. 本来企業に対して融資を行う立場の銀行は預金を集めて貸すので長期の融資は苦手分野、50年ともなるとお手上げといった所

金利低下世界に連鎖 米10年債2%割れ 2019年6月21日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO46357000Q9A620C1EA2000/

  1. 19日の米国10年利回りが一時2%割れ、一方で米国株は金利低下を背景に株高が続いている
  2. ECBもドラギ総裁が追加の緩和に言及し、6月にはオーストリアやインドが利下げと世界的に緩和合戦となっている
  3. スイス、フランス、スウェーデンなどでは国債金利はマイナスのものも出てきている
  4. 今後米国も利下げを行う可能性も高いが下げ余地は小さく、仕方なく株式に向かっている資金も多いと見られ、状況が変われば株安もリスクとして意識される

二つの記事から見える事

まず、世界の金利は今後数年下がるようです。

伝統的に景気が悪い時は金利を下げて借りやすくして景気刺激を行うのが伝統的なやり方です。

今は先進国はどこも低金利でアメリカだけが利上げを行えていました。しかし、これもそろそろ転換点のようです。

日本はとっくに低金利なのでついに50年債が出てきました。

債券は金利が上昇すると債券価格が下落します、長い程変動が激しいのですが、ソニー生命なら保険を組んで、裏側で運用を行い、仮に価格変動で下落する局面が訪れても購入顧客の損失になるので特に問題は無いようです。

今後、日米ともに低金利となると世界中には年金や生保、投資信託など仕事として運用を行わないといけないお金が溢れており、彼らは何か利回りが取れるものがないかと苦心します。

その答えの一つが超長期債です。

今後この形態の債券は増えると思われます。

個人投資家が取れる戦い方

記事から行くと米国金利が今後更に低下すると思われるため、米国ではかなりの量がある満期までの期間の長い超長期債券を購入することが良いと思われます。

実際昨年10月時点と比べて現在で満期が20ー30年程度の米国の債券が10年利回りが1%程度下落する中で10%以上上昇しているものが多いです。

仮に今後利下げとなるとドルベースの価格で数年分の金利に相当する元本の上昇が見込めます。

また、国内ですが、生命保険会社が終身保険で企業に対して超長期の社債を発行させてまで運用しないといけないわけですが、生保の保険は投資家から見ると手数料の塊です。

ならばまだ出てきてませんが、いずれ今回紹介のあった超長期の債券は市場に出てきます。

その時に改めて債券を単独で購入する方が良いのでは無いかと思います。

金利が低くなると高い金利の商品には飛びつきたくなりますが、やはりどんなリスクか、どんな手数料体系なのか、妥当かをよく考えて投資を行う考え得る力がますます必要になると思われます。