新出生前診断の議論への疑問

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO46468890T20C19A6MM8000/

新出生前診断施設増を見送り 2019年6月23日日本経済新聞

  1. 妊婦の血液から胎児にダウン症などの病気があるかを調べる「新出生前診断」
  2. 施設の拡大に心のケアや結果の説明にあたる専門家がそろうのかとの懸念が根強い
  3. 遺伝の専門医や診断のカウンセリングにあたる専門家を育てる日本人類遺伝学会は「(施設数の拡大で)妊婦側が十分な情報提供を受けられない可能性がある」と批判していた。
  4. 約90施設で年間約1万3千人が検査を受けている

新出生前診断、母親のケア不十分懸念

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO46469580T20C19A6CC1000/

  1. 背景には学会に任せたまま実施する施設が拡大すれば、不安を抱えたり、安易な気持ちで中絶を決めたりする妊婦が増えかねないとの懸念がある
  2. 簡便で高精度な検査法は無認定のまま営利目的で、検査を手掛けるクリニックが増える一因になった。日本産科婦人科学会の指針案にはこうした無認定クリニックの増加に歯止めをかける狙いもある。
  3. 遺伝子診断の専門家を育てる日本人類遺伝学会は指針案に対して「不十分な体制の下に安易に行われるべきではない」と憂慮する意見を公表。日本小児科学会は「(妊婦と家族が)十分な情報提供とカウンセリングを受ける機会を奪う」と批判する声明を発表した

感想

我が家も不妊治療が長く、最終的に体外受精を選びました。

新出生前診断は行いませんでしたが、無認可で行っている病院であったことは聞いていたので受けるべきかどうしようかな?と夫婦で長時間話し合い、結果診断を行わずに出産に至りました

この一連の経験から考えるのが、新出生前診断を行えるくらいのクリニックは無認可であろうがなかろうが、とても優秀で技術力が高く、日本中から不妊に悩む家族がやってくる病院が多いという事実です。

色々な議論が聞こえてきますが、倫理を振りかざしながら、デジタル化に遅れ、昔ながらのやり方でやっている病院が経営が苦しい中で患者を奪われるのが嫌で学会から厚労省に働きかけて規制を厳しくしているようにしか見えません。

と、いうのが、医者が心のケアを最後まで面倒見れるわけもなく、面倒を見るのは家族であり、診断を行う判断も家族で、その後の結果を見てどうするか行動するのもすべて家族の判断なのです。

医者がたくさんいて、情報がたくさんあればいいのか、整うまでだめだと言いたいようですが、世の中に精神科医は沢山いますが、精神にかかわる病が精神科医に関わって大きく改善したという話もあまり聞きません。カウンセリングの継続をしている話はよく聞きますが。

医者と厚労省だけで議論すると患者や国民は知識がないから全て判断は国と医者に任せなさいという態度が見えてきます

また、医者の既得権を守る方向に動くのが、さも患者保護の議論にすり替わります。医者が多ければ救われる患者が多いのであればなぜ今まで体制を整備してこなかったのでしょうか。

もっと患者の生の声を聴いてほしいし、一般の患者がどのような思いや考えで病院を選んでいるのかを考え、汲み取った制度にしてほしいと思います。

間違っても現在おすなおすなと人手が足りない無認可の産婦人科を締め付けるだけの目的で制度をただ厳しくするようなことはしないことです。

既得権益の犠牲にしないでほしいものです。