M&A関連銘柄

悩む中小に中国マネー  2019年6月30日日経新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO46773440Z20C19A6EA5000/

記事のポイント

  1. 中国企業による日本の未上場企業へのM&A(合併・買収)件数は2018年に25件で過去最多
  2. 神奈川県大和市の企業団地にある新シコー科技、アップルの契約打ち切りが響き、2012年に経営破綻。中国の電子部品大手、深圳欧菲光科技(オーフィルムテック)が買収
  3. 取引先がシャオミになり、生産全量を収めることになり、会社は息を吹き返した。19年の出荷量は約2億個と18年比5割増、買収直後の13年比で900倍
  4. 帝国データバンクによるとアジア企業が出資している企業は17年末で1712社で中国資本が51%以上保有は448社、18年は未上場企業のM&Aが公表だけで25社
  5. 中国最大の国有企業CITICグループのファンド、CITICキャピタル・パートナーズ(東京・千代田)は04年から合計で約350億円を投じ、日本の中小14社を買収。この中にはゆがみのない高精細レンズ製造のモリテックスがあり、中国に工場を移管
  6. スイッチ製造の神明電機(川崎市)は12年に中国・大連鵬成グループに買収され、主力製品をパソコン向けから単価が3倍の自動車向けにシフトに成功
  7. 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、17年末のアジアから日本への投資残高は00年比で10倍の5兆2978億円に拡大

記事の感想

日本企業の未上場の中堅企業のM&Aの買収がアジア企業によって増えているようです。技術移転問題などがありますが、後継者難や資本不足で日本企業や金融機関が支援してくれない以上、元気なアジア企業が取引を通じて買収してくるのは自然の流れで、企業にとっては切実な問題だといえますし、非難できないと思います。

個人的にいつも感じるのが、日本の企業が外国の会社に買収されるケースが多々あるのに対してマスコミを中心に「日本の技術が流出する」と騒ぎますが、資本力が足りなかったり、買収しても活用できないためにアジア資本参加に入り、息を吹き返す例が多いです。最近ではシャープなどはよい例です。

全てアジア企業に売りまくっていいのか?とはなりませんが、政府も金融機関も大手企業も光る日本の中堅企業の存続の問題を見過ごしていて、気が付いたら元日本企業の買収されたアジア企業に支えられていて、根幹が奪われていたなどどいう事態にならないよう対策をとってほしいものです。特に相続問題では相続税が大きな問題です。自社株などはケチな条件など付けずに全て譲る際は非課税にするくらいの措置があってもいいと思います。

一方、M&Aですがかなり大企業も中堅企業も活発です。日本の中でM&Aを専業としている企業は業績はどうでしょうか

四季報オンラインで検索するとM&Aというキーワードでは多数該当し、日本企業も海外企業を買収して業容拡大を目指すケースが増えていることがうかがえます。その中でM&Aを仲介する企業を取り上げてみました。

  1. 2127 日本M&Aセンター
  2. 2174 GCA
  3. 6080 M&Aキャピタル
  4. 6196 ストライク
  5. 8275 フォーバル

それぞれの売上、営業利益、一株利益及び成長率、PER、PEGを並べてみました。PEGは営業利益を使って今期、来期予想平均で来期予想PERを割ることで出してみました。

結構業績にばらつきがあります。PEGは営業利益の今期と来期の予想数字の平均伸び率を使い、来期予想PERを割って出してみました。他には3期連続平均で計算する方法もありますし、営業利益ではなく、一株利益で算出している方もいらっしゃいます。

この中で私はPEGが2倍を超えている銘柄は除きますのでM&Aキャピタルパートナーとストライク、フォーバルが候補に残ります。

ただ、できれば売り上げと利益は成長株らしく伸び続けてほしいのでフォーバルが売り上げの伸びがマイナスなのと営業利益伸び率が10%未満なので除きます

そうなると、M&Aキャピタルとストライクとなってきます。

どちらも有望と思われます。あえて言うと安定して伸びているストライクに軍配が上がるかもしれません。

この業界の伸びは人と取引先がどれだけ伸びるかにかかっています。

超大型のM&Aはメガバンクや大手証券が得意分野なのでだんだん企業が大きくなると一部金融機関との競合が発生しているのかもしれません。顧客企業が売上数億円の中堅企業で、コンサル会社もまだ小ぶりな方が金融機関との競合が起きない分野なので有望かもしれないと判断し、M&AキャピタルPとストライクがいいかなと思います。M&Aセンターはもしかしたら成長の壁に差し掛かってきているのかもしれません。