2019年7月5日 株式勉強会での気づきと銘柄

2019年7月5日に個人で参加している株式勉強会に参加してきました。

私の所属している会社は証券会社ではあるのですが、どちらかというと外国債券の販売が主力なので個別の銘柄を案内することは少ないのですが、やはり、いろいろ情報を仕入れておかないと話ができないので参加しています。

今回の勉強会と資料から自分なりの相場のポイントと講師からと自分なりに気になる銘柄と理由を簡単にまとめてみました。

全体

  1. まず、四季報の「市場別決算業績集計表」によると売上、営業利益等は伸びる予想であるが、前回の春号に比べると増収率や営業増益率は大幅に鈍化しており、今後も悪化する可能性が高い
  2. 2019年3月から6月までと昨年6月からと今年6月までの日経平均TOPIX、ジャスダック指数、マザーズ指数の株価は全て下落しており、株価が先行指標であることを考えると景気悪化を織り込みつつある展開
  3. 四季報のキーワードランキングからみると相変わらず上位は提携、M&A、人材、値上げ、AIなど世相を表しており、企業買収や人出不足、企業の効率化の流れは変わらないが、一方でサブスクとかMaaS、夢洲も少ないながらもキーワードに出てきており、今後の新たな潮流になる可能性も見える

四季報の「市場別決算業績集計表」を四季報の全号と今回を比較する見方は余りされない、というか、この欄は読み飛ばしている方も多いと思いますが、結構景気全体を表すのに大切です。

四季報の凄いところは自分たちで各企業の業績予想を出しているので、ここにある数字は全ての上場会社を対象にしているわけで、ここまで幅広いサンプルから予想数字を出す会社は無いです。

証券会社だと日経400に入っている会社の予想数字など自らのアナリストが企業分析を行っている会社の集計しか行わないためサンプル数は少ないです。

これによると、売上高は春号は今期3.1%売り上げ増加予想だったのが夏号では2.3%増収予想に鈍化、営業利益の伸び率は春号8.4%だったのが2.9%に鈍化していますので今後も下落傾向に変化がない場合、業績に連動して全体の株価も下落するリスクが出ているとの話でした。

キーワードでは自動車の流れを大きく変えそうなMaaS、ビジネスモデルを変えそうなサブスク、カジノが実際にやってくるのに備えた夢洲などはまだ小さいながらも株式市場の大きなテーマになりそうだと講師が話してました。

下落率ですが、日本の株式市場の指数がこの3か月では2-4%の下落、1年では日経平均は約8%下落、TOPIXが約15%、ジャスダック指数約15%、マザーズ指数に至っては約22%の下落と非常に酷いです。

ここで見えるのが、日銀の株式購入の弊害です。選挙やニュースでは日経平均をよく取り上げるのですが、ここは日銀がETFを通じて買いまくっており、日経平均を代表する銘柄のファーストリテイリングなど値嵩株は下がりません。

しかし、東証一部全体の値動きを表すTOPIXは日銀が購入対象とはしていないので下落率が倍で、こちらの方が投資家の実情に近いと思われます。

通常の景気悪化で指数は20-25%下落で底打ち、酷い悪化で約半分で底打ちが今までなのでTOPIXは底打ちとは言わないまでもかなり景気悪化を素直に織り込んできているといえます。消費税増税後が危険だなと感じました。

個別で見ると悪い現象が市場に既におこっていて、日銀が225を始めとした指数を購入するので各投資信託を運用しているファンドマネジャーは自身の運用する投資信託の運用成績が指数に負けてしまうのが評価を下げることになるので、防ぐために日銀追随の運用を行ってしまう事です。

具体的には個別銘柄の分析より、日銀が買いそうな銘柄に自身の運用する投資信託の資金を振り分けてしまう事です、ファーストリテイリング株などを積極的に買い、一方でよい銘柄でも日銀が購入しない銘柄は売ってしまいます

ファンドマネジャーとはいえサラリーマンなので評価を気にして動くのは仕方ないとはいえ、これでは高い入口手数料と信託報酬を払う意味はなく、ETFやインデックスファンドで良いことになります。(小型株を対象としている株マニアが運用する投資信託は別です、大型株を対象としている投資信託のことです)

結果業績や財務内容に余り悪いところがないのに以上に下がっている銘柄も多く、これらを少し保有して長期で回復を待つ戦略を講師が提案していました。

個別銘柄

大幅に売られた銘柄では

  1. 7915 NISSA 2017年高値4245円→995円(四季報夏号ベース)-76%
  2. 6407 CKD 2018年高値3160円→855円 -73%

その他財務内容が悪くないのに大幅に下落している銘柄も数多くあり、PBRが1倍を割れていて、自己資本比率が30%を超えていて、2017年、2018年からの高値から68%以上下落している銘柄が数多くありました。

相場の格言で底値を表す言葉に「半値、八掛け、二割引き」とありますが、これはそのまま計算すると32%のことで68%の下落率です。

また、黄金比という数字もあって、32.8%、50%、61.8%で良く表現されます。どちらも良く相場では出てくる表現です。

ちなみにリーマンショックは日経平均は約62%下落で止まっているので黄金比に沿っています。

これらを上回る下落率となるので、個別銘柄ではリーマンショックがやってきているのでここからは時間は多少かかるものの、個別では少しずつ購入してもいいとの判断で私も同じ様に感じました。

その他成長株の分野では

  1. 6067 インパクトHD キーワードはインド
  2. 2467 バルク 情報セキュリティ
  3. 4288 アズジェント 情報セキュリティ

等が出ていて、相場の上下に関わらず業績改善が実現すれば独自に株価形成を行える存在の株式が取り上げられてました。

個人的には

  1. 4424 Amazia 電子書籍配信
  2. 7049 識学 経営コンサル
  3. 6095 メドピア 医療情報提供

等が気になりました。

全体を通じて感じたのが日経平均ばかりを見ていてはもはや日本の株式市場はわからないということです。日経平均は今や政治銘柄と化しており、安倍首相の選挙のアピール材料であり、日銀がこれを買うという出来レース状態です。

これに対して我々が動く投資法は3つです

  1. 大きな資金を4分割し、TOPIXを今と高値から20%以上下落時、40%以上下落時、60%下落時位に購入する
  2. 個別でここ数年の高値から70%以上下落した銘柄で悪くないと判断した銘柄を10銘柄程度購入
  3. 成長が見込まれると判断した銘柄をPEGという指標を活用して選んで10銘柄程度購入

このように私は考えます。

日経平均はもはや政治銘柄なので下がりにくいかもしれませんが、どこかで購入の限界が来るのでいつ大崩れするかわかりません。財産の根幹にかかわるような大きな資金は既に下落してきているTOPIXでの運用が良いと思います。(ちなみにこれは指数運用なのでTOPIXに米国S&P500も同様の戦略で組み合わせるとよいと思います。)

大幅に下落した銘柄は財務内容や業績から見ておかしい状態になっていて、チャンスを提供してくれています。ただ、注意点はあとで実はダメな材料が出てきて、株価が正しかったということになるリスクがあるのと市場がある程度気づくまでは時間がかかることです。

下がる理由が既に株価に織り込まれていて、あとで材料が出てきてしまう事もよくありますし、業績が更に悪化することもあります。市場も業績がどんどん良くなる予想が出ていない銘柄に関してはゆっくりしか反応しないため、バリュー投資は数年単位で見る必要があります。数年で見ると、景気回復時に安く仕込んでいた銘柄群が数倍になることはよくあります。忍耐の投資です。

成長株も景気悪化においては予想と違ったりすることも多く、四季報予想を猛進するのは危険な部分もありますが、当初10-20銘柄位購入し、四半期決算をよくチェックしてダメだったもの(会社予想を達成していない、市場予想と大幅に違う、下方修正等)は容赦なく切り、上方修正したりした好感される銘柄を発掘して資金を振りなおして、数倍を狙いに行く投資が良いと思われます。

私が考える成長株とは売上増収率10%以上、営業利益伸び率20%以上で決算でしっかり結果を出している銘柄のことです。決算がこれらの数字に未達であったり、事前の予想数字を達成できない場合は余程の理由がない場合を除いて私は売却が良いと思っております。

利益確定は業績もさることながら、理想は4-5単元以上購入して、2倍、3倍、4倍でそれぞれ1単元売却して残りをストーリーが崩れるまで継続保有がいいかなと思ってます。

日経平均で話をまとめるとわかりやすいし簡単なのですが、個別で見ると日銀が買い支えた結果、投資信託の行動が変わってしまったことで大幅に売られた銘柄がたくさんあることがよくわかりました。

投資信託のファンドマネジャーも事実上仕事放棄でこれではインデックス投資でETFか個別銘柄投資、およそ出世しなさそうな株マニアの投資信託が買いなのかなと思います。(小型株投資のファンドです、組み入れ上位にトヨタ、NTT、三菱UFJ銀行など時価総額の大きな銘柄がほとんど来ないファンドマネジャーの独断と偏見で運用しているファンドのことです)

努力が将来の結果に結びつく研究を始めるのに良い時期だなと感じた勉強会でした。