PSRと使い方考察

技術革新 増収期待生む 2019年7月30日 日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGKKZO47910360Z20C19A7TJP000/

成長株を評価する指標にPSRという指標がある。

新聞でPSRが高い順ランキングを出しておりトップはKudanの124倍、有望技術を持ち成長が期待できる会社だと紹介している。

その他ランキング上位銘柄もそれぞれ特色を持って成長している。

感想と解説

まず、PSRとは(時価総額÷売上高で算出)で、売上の何倍まで買われているかを示す指標です。

株価は将来の会社が変わることを期待して買われる物なので、売上や利益が将来伸びそうだと思われたら買われます。一株利益に対して何倍まで株が買われているかを示す指標のPERや会社の成長率とPERを比較するPEG等の指標と目的は一緒ですが、こちらは利益が出ていない赤字企業にも活用できます。どちらかというと大企業よりも中堅企業でこれから伸びそうな会社を探すための指標と言えます。

では、新聞のランキングの逆でPSRが低い会社はどの様な会社があるでしょうか

日経新聞では売上が100億円未満の会社を対象にスクリーニングしているので、同様に100億円未満で算出しました。低PSR20銘柄を載せておきます

四季報オンラインのスクリーニング機能を使いますが、日経新聞と同じで売上高が100億円未満だと表示件数が上限の300件をオーバーしているため、追加で売上高が3%前期に比べて今期伸びる予想で、上場年月もここ15年間の2004年1月以降の会社に絞って検索しました。全部で280社出てきました。

PSRの活用法自体明確な定義が決まっているわけではありません、人によっては20倍以上が割高、0.5倍以下は割安という人もいますし、4年で売上高が倍になると適正として2.5倍位までが限度という人もいます

新聞のように高いPSRは将来性の裏返しとして歓迎する場合もあります。

結局は一つの指標に頼りすぎないことです。他の指標も見て、将来伸びる会社と思えるかが重要です。

これはPERも同様です。PERが高いというのを割高という人もいますし、期待が高いからという人もいます。逆に低いのは割安といえますが、将来性がないという人もいます。

全ては企業の現状と将来性をどうみるかの個人の判断です。

ただ、このリストから判断すると、ちょっとPERが低いのとPSRが低いのが目立つように思えます。低すぎるPERは個人的には要注意、何かPERが正当化されない不安材料が隠されているのでは?と疑ってしまいます。

また、スルガ銀行問題以来不動産分野への風当たりがキツくなっているからか20銘柄中8銘柄が不動産か家賃保証会社と中々厳しい評価です。

しかし、東証1部のジェイリースは1部からの降格はありそうですが、時価総額がどれもこれも30億円位の会社ばかりです

今は花形は新聞にある様なPSR100倍を超えている様な銘柄が面白いかもしれませんが、指標上高い会社は伸びる時も凄いですが、売上伸びの鈍化が少し出るだけで半値とか平気で起こります

反対にPSR0.5倍以下という事は売上が伸びないと思われており、期待されてません

元々90点をとって当たり前の子が60点を取るとみんながっかりしますが、元々30点の子が60点を取るとスゴイ!と赤飯炊いてお祝いするみたいなもんです。

もちろん、予想数字と同じが以上の売上、利益を上げないと株価は更に厳しくはなりますが、思い切り逆張りの精神で少しリストにある銘柄で共感出来る事業の会社を買うのも面白いかもしれません。全く期待されてなかった分だけ面白いです。

結論は新聞にあるPSR100倍以上銘柄を買って更に値上がりを狙う方法もありますが、一方で全く評価されていない企業の株を保有して数年じっくりと期待せずに保有していく方法もありだということです。ただ、元々期待されていないので金額は抑えめに、分散を心がけ、売上が伸びなくてやっぱりダメだとなったら売却するなどメンテナンスは必要です。その場合でもPSR100倍越え銘柄に比べると損失は少なく逃げれると思われます。