ソニーとマイクロソフト

こちらのブログで7/4にソニーについてコメントしました。

本日日経産業新聞でソニーとマイクロソフトのゲーム分野の提携にマイクロソフトの日本人が大きな役割を果たしたと紹介されてました。

MSとソニー提携の立役者:日経産業新聞https://www.nikkei.com/article/DGKKZO48023900R30C19A7X12000/

ここで面白い連合が出来上がりました。マイクロソフトは世界の巨人ですが、成長ドライバーはデータを溜めておけるクラウド事業です。この分野で日本企業は大きく出遅れ、もはや挽回は効かないくらいに差が開いています。マイクロソフトの時価総額は110兆円にも及びます。

しかし、日本のソニーは時価総額が8兆円弱と小さいながらとても多彩な事業構成です。

以前にも掲載しましたが、ソニーは巨大なエンタメ産業になっています。ゲームや音楽、映画分野で数多くのコンテンツを握っています。

しかし、今や映画を見るにも映画館ではなく自宅でデータで見たりスマホやPCで見ます。音楽もそうですし、ゲームもクラウドゲームが主流です。そうなるとソニーは自前でクラウド事業を展開しなければならず大きな負担になってきます。

一方でマイクロソフトも他のGoogleやAmazon、Appleなどのデータセンタ事業との競争に打ち勝つにはマイクロソフトを利用してもらう理由が必要です。その理由を作ってくれるのがソニーのコンテンツというわけです。

ソニーも巨大なデータセンターを投資をせずに手に入れられるため今までの得意分野に集中できる理想的な提携と言えます。

株価は日経平均やTOPIXが低迷している中でしっかりしています。

ヤフーファイナンスのチャートですが、この5年上昇基調で、今でも値を保っています。まだ事業的には成長率が足りないと感じてはいますが将来の期待で買われているのかもしれません。

また、ソニーは他にも強いのがセンサー分野やカメラ分野です。これからIoT時代になると家中センサーだらけになり、自動運転になるとカメラが車に無数に必要になります。また、Amazon Goなどに見られるように無人スーパーもカメラがあらゆるところに取り付けられており、今後必要になります。

ここを製品の売り切りではなく、データも共有して活用できるようになるとマイクロソフトにも恩恵はもちろん大きいですが、より小さな会社のソニーにはさらに恩恵が大きいと思われます。

時価総額8兆円は世界では100位にも入れません、欧米の人が日本株を積極的に購入するとは思えない中で、ソニーブランドは世界で知れています。

そういった意味ではソニーは日本企業ではなく今回の提携でアメリカ企業と同等に見られることになった気がしますし、今後に大いに期待したいです。