さわかみファンド分析

独立系投信、流入1兆円超 「さわかみ」設定から20年https://www.nikkei.com/article/DGKKZO49009610W9A820C1EE9000/

日本経済新聞2019年8月27日

記事のポイント

  1. さわかみ投信のファンド設定から今月でちょうど20年。レオス・キャピタルワークスやセゾン投信などが続き、資金流入額は累計で1兆円を超えた。
  2. 「20代から毎月1万円を投資に回してきた」さわかみファンド投資の40代のサラリーマンが紹介でされており20年続けて300万円投資が1000万近くになった、下落局面では買い増しも行なった
  3. 独立系投信は長期保有が多く、さわかみファンドでは15年以上保有する銘柄も数多い
  4. 独立系は金融機関を通じない直販を取るスタイル

さわかみファンド分析

残高から行くとレオスが上ですが、歴史とかつて説明会に参加したことあるのでさわかみファンドを取り上げます。

運用開始は1999年で、私が証券業界に入ったのが2000年なので業界の1年先輩の投資信託です。1996年にピクテ銀行の代表取締役だった澤上篤人さんによって設立されたさわかみ投信の運用する投資信託で今は息子さんの龍さんに引き継がれています。

同じ証券界にいながら縁遠い運用会社です、というのがこの会社は証券会社とかに販売させるのを当初から避けてきたからです。

会社の投信説明会に忍んで参加したことありますが、講師の方が「金融機関に任せるとどうしても回転させてしまうから長期投資に中々ならないんです」と言っているのが頷けてしまった自分がいました。

さわかみファンド

ホームページにこのように書かれており、あくまで長期投資だよと説いています。基本的には積立で運用することを勧めており、相場の上下に惑わされず、ゆったり運用しようと掲げています。

基準価格は基本的には日本株なのでリーマン後には厳しい局面がありましたが、私から見ると説明会でも驚いたのが総口数推移です。下落時にどんどん増えて、高値時にやや減少傾向です。

これは加入している人が下落すると買い増しを行い、上昇すると利食いを行なっていると思われ、中々個人投資家に任せるとみんなとても上手だなと思います。

ただ、一方で、純資産総額は基準価格の上昇ほどは伸びておらず、新規の買いは減少傾向なのかなとも見えます。相場のせいと競争が昔より激しいからかと思われます。

私が説明会で一番驚いたのがこの投資銘柄をホームページでもそうですが、投資家に配る月報でも公表していることです。

投資信託は基本上位銘柄のみ公開で、Bloombergとかを見ないと中々全ては見られません、ちょっとホームページ状だと買値や株数の所がバグって載せられているので見にくいですが、説明会での配られた月報にはしっかりでてました。新聞でもありましたが、良いと思った銘柄はずっと保有していて20年の歴史なのに15年以上保有している銘柄が大半だそうです。

この、投資家に全てを開示しようという真摯な姿勢がとても共感できた記憶があります。

手数料は入り口はゼロ、信託報酬は1%です。

これを世間ではノーロード投信と言いますが、20年前はとても珍しかったです。どうやって儲けるんだ?と思ってました。時代が追いついた印象です。

感想とまとめ

今や投資信託で長期で積立とか、ノーロードとかは一般的になりつつあります、これを早期に始めたさわかみファンドにはとても敬意を評します。

投資信託は儲からないというイメージは金融機関と系列投信会社の責任が大きいです、入り口手数料を稼ぐためにすぐに回転させる証券会社と、回転先の受け皿投信を親会社と一緒に組成してきた系列投信会社がおり、いうがままに運用すると手数料だけ取られて終わった人が多く、業界のイメージを悪くしてきました。

かくいう私もかつては売買してなんぼと思ってましたし、長期投資なんてかったるいと思ってたので言いづらい立場ですが、、、

恐らく今後は本当に正直な、真面目な投資信託が伸びると思いますし、そうでないと業界の存在意義が問われます。

ただ、さわかみファンドもこれから信託報酬がどうなるかは課題かもしれません、この20年は1%は破格の安さでした、ただ、ETFの普及もあるので今後は高い方に入るようになるかもしれません。

でも、今後もポリシーを貫いてコストを削減しつつ競争を勝ち抜いてほしいものです。