ブラジルに投資をしたら?

ブラジルに対しての投資はここ15年間くらいで日本に定着しているように思えます。投資信託での販売も証券会社で多く、外国債券でもよく見かけます、日本でもなじみのあるレアルですが、ブラジルは過去にハイパーインフレを何回も経験した国で通貨は目まぐるしく変わっています、でもあまり証券会社を始めとする金融機関では意外と職員も知らないので歴史を書いておきます。

  1. 1942年レアル(レイス)からクルゼイロ (1/1000のデノミ)
  2. 1967年 クルゼイロを新クルゼイロ(1/1000のデノミ)
  3. 1970年 新クルゼイロをクルゼイロ (1/1)これは名称変更
  4. 1986年 クルゼイロをクルザードへ(1/1000へデノミ)
  5. 1989年 クルザードをクルザード・ノヴォ(新クルザード)(1/1000デノミ)
  6. 1990年 クルザード・ノヴォをクルゼイロ(1/1)名称変更
  7. 1993年 クルゼイロをクルゼイロ・レアル(1/1000デノミ)
  8. 1994年 クルゼイロ・レアルをレアル(1/2750デノミ)

と、こんな感じです、日本人から見ると戦後から7回通貨が変わっているのでとてもじゃないけど自国通貨で預金をしたくない国になります、ただ、通貨の外貨との取引は自由化されておらず、国内財産を海外に流出させるには手間がかかります、そのうちにどんどんインフレが進行して、やがて通貨がダメになる歴史が繰り返されています。

なので信用力が低い通貨なので金利は高くて当たり前なのかもしれません。

ちなみに、今のレアルの源流はクルゼイロ・レアルなのでデータで遡れるだけ見てみると1992年1月には251,100円、1993年1月は21,882円、1994年1月は650円、1995年1月は118円、1996年1月は109円、、、といった感じで今の25円台とかけ離れています。

そんなブラジルレアルですが、ここ12年間の動きをグラフにしてみました。

グラフには無いですが、データ上では2002年から2005年までは1レアル30円台もありました、その後、経済の回復に伴い、為替レートも回復し、2008年には66円台とかなり安定しました、しかし、その後のリーマンショックから再度売り込まれて直近が一番安くて25円台の推移です。

一方で株式は2018年10月に元軍人のボルソナロ大統領が当選してから経済改革に対する機運が高まっています、株価は直近が高値です。

リーマンショック直後には37,000ポイント程度まで下落しましたが、直近では10万ポイントを超えるなど安値から2.5倍以上、2016年にも1月に4万ポイント程度まで下落しているのでここから考えてもここ3年くらいは株式市場は好調です。

では、恒例の日本円から見たグラフです。

為替があるのでやはりと言ったところですが、2016年1月に投資をした場合は大体倍になっています、が、あとはリーマンショック直後の2008年11月に投資をした場合では6割程度の利益と言ったところです。

今後ボルソナロ政権が年金改革を始めとする国内改革を進めると公言しており、今後期待が持てる側面もあります、ただ、この12年間の動きを見ていると、現地では株を購入して、上昇期待がある一方で為替の動きは気になります、それと、デフォルトこそしていない国ですが、通貨の価値がとても変わりやすい歴史があり、日本円から投資をすると株価と為替両方のリスクを負うことになるので単純に伸びそうだから、とか、金利が高いからと言って投資をすると痛い目にあう可能性もあります、注意が必要です。