マイナス金利下で上昇するもの

最近の世界の債務で1/4はマイナス利回りだそうです、借りているのにマイナス?は新しい概念です。一時的にマイナスになる事自体は2003年の日本でありました、短期金融市場で無担保コール翌日物がマイナス取引になり話題になりました、ただ、これはあくまで一時的でその後はプラスが当たり前で借入金利がマイナスの概念自体は2012〜2013年ごろのヨーロッパで広がり、マイナス政策金利が登場しました。

その後日本にも再びマイナスが2014年の2年国債利回りに起こり、本格的には日銀が2016年2月に当座預金にマイナス金利を適用したのが話題になりました。

また、ここ1年は更に米国の景気減速懸念をはじめとして世界景気に暗雲が漂っていることもあり、国債などの安全とされる資金に資金が流れ込んでいること、各国中央銀行が金利引き下げの動きに出ていることもあり各国金利が低下中です。

日本でもBloombergでは以下の通りです

今となっては信じられませんが、日本国債が2009年に1%以上あったんですね、今ソフトバンクが募集予定の円建7年債が1.38%、これも人気化しそうですが、格付はBBです、10年前は国債で十分同じ利回りだったわけです。

最近のドイツ国債

よく見ないとグラフを見間違えそうな感じですが、0.6%はマイナスの数字です。あえてマイナスの国債を購入するのかは理由は様々ですが、主に金融の世界では国債は特に先進国では取引の担保に利用されることが多く、また、中央銀行が買い入れる事情もあり買い手が多くいるのが原因として大きいです。

日本では大手銀は外国に進出したがっており、特に米ドル需要が高いです、ただ、手に入れるには米銀からの借り入れに頼っており、借入と同時にお互い為替の影響を受けないように通貨スワップというのを行うのですが、この時に邦銀がマイナス分も負担してる状態になっています。なので米銀は手に入れた円をマイナスの国債を購入して資金を無リスク化しても十分利鞘がとれる取引になるためマイナスの国債の需要は減らないわけです。

では、世界で低金利、マイナス金利下でどのような商品に運用上資金が回っているのでしょうか、主に出ているのが不動産と金です。

金価格は?

まずは金です、米国まで低金利政策を再び取るようになった以上通貨のヘッジとして金需要が高まっています。また、最近ではETFを通じて買いやすくなったことも要因として大きいです。

これは田中貴金属作成の五年チャートで、マイナス金利が世界で強まるとより、買われています。

過去の金価格

ちょっとそれますが、このホームページ、中々面白くて過去の金価格が明治から載っています、掲載しておきます。

強烈なのは昭和20年の終戦から23年のインフレ期です、金価格はドル連動なので5円程度が320円以上と60倍以上になっています、その後も上昇を続け今や5000円です。

不動産は?

世界で不動産価格を示す金融商品はREITですが、世界の歴史は割と古く1960年に遡ります。ここ20年のチャートを載せておきます。

激しいですね、リーマンショックで1/4になり、回復して現在高音更新中です、直近のグラフです

これも中々ですが、やはり今年に入って世界的なマイナス金利が進行するのと合わせて上昇を続けています。利回り求めて資金が世界で暴れている印象です。

日本も同様です、これは日本取引所の日本のREIT指数のスタートからのチャートです。

海外に比べるとまだ高値を更新してません、今後半年から一年くらいで更新するかもしれないなと思って見てます。危険度モリモリですが。

配当株式投資は?

これは株価が未だ堅調なアメリカで見てみるとちょっと景色が違いました。まず、長期チャートです。

S&P 500配当貴族指数

10年で見ると綺麗なチャートです、ではここ1年で見てみます。

これは?なんだか横ばいです、不動産や金に比べるともうすこし、、、?と思います。

悪くないかもしれませんが配当貴族指数といえど会社なのでこれからの景気の先行きを不安視しているのかもしれません。

まとめ

いろいろ見てきましたが、やはり今からの積極投資は厳しい印象です、短期間で金や金に連動する金鉱株を購入したりJーREITを購入して売り抜けるのはアリだと思いますが、やはりそれも全力ではなくていつでも逃げられる体制で臨むのが良いと思います。

世界で金利を下げて景気を刺激しようとしている中ではありますが、暴れている資金は短期資金なこともあり、個人が付いて行くには少し怖い印象です。