みらいワークスIR参加感想

参加している経済勉強会でマザーズ上場6563みらいワークスの岡本社長を招いてIRを行い、参加してきました。

社長経歴

社長の年齢は42歳、慶應大学理工学部を2000年に卒業され、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)→一般企業→全国放浪→フリーで仕事→みらいワークス起業と割と変わった経歴の方です。

6563みらいワークスについて

株価

  1. 株価は2019年9/11時点で3290円、時価総額約39億円です。
  2. 上場日が2017年12月19日、公募価格1840円に対して初値が6080円、2017年の年末には13000円を超えました。
  3. しかし、その後は一貫して下落、ピーク時の約1/4です。

事業内容

私の理解で言うと、フリーランスと企業をつなぐプラットフォーマーです。

主にターゲットはIT系や人事部、経営コンサルタントなどで「アタマで稼ぐ人」と言えます。

例えばIT分野で言うと、システムを作るエンジニアでは無く、プロジェクト自体をまとめるマネージャーが対象になりますし、人事分野でも事務を実際にこなすというよりも会社全体の人材最適化などマネージャー的役割が求められる人材になります。

登録人材に対する報酬は高く、フリーランスに対して月額100万円以上払える仕事が多いそうです。

みらいワークス人材登録サイトですhttps://freeconsultant.jp/lp/%e3%83%95%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%82%b5%e3%83%ab%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%88/?utm_source=google&utm_medium=cpc&gclid=EAIaIQobChMI3pb4pebJ5AIV2KqWCh2xxQpvEAAYASAAEgJi7vD_BwE#

なぜフリーランス支援?

これは岡本社長がアクセンチュアから転職した企業がライブドアショックの煽りで倒産し、次のやる事を探すために全国放浪をしたのがきっかけです。お金も無いので色々な仕事を請負、フリーとして働き、仕事を取り、仕事をこなす事の大変さ、辛さを実感したそうです。

ただ、岡本社長は明るいキャラで、プレゼン能力も高く、営業が上手で仕事が回らない程になり、周りのフリーランスに仕事を振っていくようになります。

その時に仕事を振られたフリーランスに凄く感謝され「自分でやるより人に渡してこれだけ感謝されるなら、企業とフリーランスを繋ぐ仕事の会社を作ろう」と思いみらいワークス設立に至ったそうです。

フリーが増える時代背景

昭和的な価値観で言うと、まずは勉強を頑張りそれなりの名の通る大学に入り、大企業に入れば60歳まで安泰が1つの成功例とされてきました。

勉強は大学に入る為であり、大学で何を学ぶかではありません、入れば良いのです。

また、就職も何がしたいかではなく入ることが目的で、入れば良いのです。

後は仕事をしようがしまいが定年まで無事にいられれば幸せと思っていた訳です。

でも、プライベートが充実していたかというとそうでもないかもしれません、会社に在籍することが目的ならばかなり会社の言う事を聞かないといけない為プライベートが犠牲になる人も多かったと思います。

ただ、昭和は高度成長期で、プライベートを犠牲にしても昇給するし、会社は報いるので会社と従業員には「信頼感のある主従関係」があったと想像されます。

しかし、平成の30年間で「信頼感のある主従関係」は崩れました。「リストラ」という言葉が、市民権を得たのが象徴的です、もはや会社は定年どころか途中下車まで要求しだしました。

加えて海外企業が日本企業を買収するケースも増えて企業文化が変わる事もあります。「終身雇用」は死語に近いです。

そうなると働く側も企業に対して「忠誠を尽くして仕える」のでは無く「仕事によって会社を変える」になります。気に入らない仕事なら受けなければ良いのです。

また、平均寿命が延びて社会保障制度が揺らいでいるので自ら稼ぐ手段を身につけないといけない事情も出てきてます。

企業側からもニーズは増えており、一つ一つのプロジェクト毎に人を雇えば会社は人だらけになります、なので傭兵みたいに都度都度優秀な人材を招けばコストも安くあがります。

みらいワークスの今後

業績

会社の今の決算予想です、売上高は伸びていますが営業利益の伸びは1桁台なので株式市場ではもっともっとと思われそうな気がします。

成長戦略

  1. 高単価な仕事ができるプロフェッショナルなフリーランスの登録拡大、特に成長分野のフィンテック、AI等先端ITと呼ばれる分野の人材獲得に注力
  2. 企業に対してフリーランスを使うことの有用性(ITでみるとコストは大手1/3)や場合によっては優秀なフリーランスを雇うこともできる人材採用にも繋がるメリットを訴え、フリーランス市場を拡大させる

全体の感想と株式投資として

会社の目指している方向や岡本社長の理念にはとても共感できました。これからは企業と人が対等で仕事を一つの契約とする時代になるし、間を取り持つ存在はとても大きいです。

一方でこの会社は10年保有が必要な会社だなとも思いました。理由は「環境が追いついてない」と「株式市場参加者が理解しにくい」です。

まだまだ優秀なフリーランスはマーケットには少ないし、企業もマネージャークラスが50代、60代の終身雇用制度の最後の世代が主力でフリー=落ちこぼれの意識が強いと思います。

また、株式投資は60代、70代の人が多くもっと理解できないと思います。

更に、当社は一部の分野に絞っていて失敗は少なく、会社はじっくり伸びるタイプだと考えますが、マザーズ市場は短期資金が多く、短期間ですぐに決算数字が伸びる倍々企業でないと株価は上がってきません。

本来株式投資とは短期で見るものでは無く企業を見るのが本質ですが、これも現実です。

また、秘書の方が話していたのですが、岡本社長はお金に対する執着は低く、「日本を活性化させるんだ!」という理念で仕事をしており、社員も共感している会社とのことでした。

ただ、今の40代以下は感覚は上の世代とかなり違います、フリーな働き方を模索している人が多いです。また、あと10年すれば株式投資の主力の人々が相続等で入れ替わりますしマネージャーも入れ替わります。

その時に時価総額39億円の会社は安すぎる存在になっていると思います。

100株33万円を持ち、いつかは330万円、場合によっては660万円位になるのを夢見てじっくり忘れた気持ちで持つのが良い株だと感じました。

一方で健全な取組を行う企業を支援する文化を醸成するのが私含めた証券会社の仕事ですが、組織のビジネスモデルが変わらない以上厳しいのも現実で個人的に色々考えさせられました。