新興国の為替と株価の長期簡易データチェック③

今回は最初に日米の検証を行います、その上で新興国含め検証した国でランキング付けをして中味を再確認します。

米国

為替は途中2011年に76円と3割円高の時もあります、今も2000年に比べると円高ですが、今まで見てきた新興国に比べるとやはり安定しています。

株価は凄くて2000年に比べると約3倍です。

いずれの方法で、いずれの時期に投資をしても黒字です。

日本

バブル崩壊の直前の38915円が意識され、全く日本人からも悲観的に言われてしまうことの多い日経平均ですが、ここ20年で見ると今が最も高い水準です、パフォーマンスも実は悪くないです、意外ですがプラスです。

為替リスクが無いのが1番魅力と言えます。

積立で20年と見ると意外と米国にもそこまで差をつけられてないです。

日米パフォーマンスまとめ

こうやって見るとこれだけ世界的に円高が続いて、デフレが続いて、経済政策も不満が多い日本ですが、株価はなんとか上がっていて積立投資をしても一括投資をしてもそれなりに上がっています。

配当別のパフォーマンスなので配当込ならもっと良くなると思います。

全体ランキング

積立期間5年、10年、20年と一括投資5年前、10年前、20年前とパフォーマンスを表にしました。

今回データを会社で編集してて取り出せないため写真掲載で申し訳ありません。

2015年から5年間積立

積立は毎年年末終値で均等に100万円ずつ投資したと仮定します。

意外とブラジル、ロシアがトップ2です、ロシア!?って思いますが事実です。

2010年から10年間積立

今度は全く変わります、先ほどのブラジルは5位へ、ロシアは損益トントンレベルまで後退します。

意外なのが日経平均です、第3位に浮上しており、トップのベトナム以外の新興国を遥かに上回り、インドとせっています。

2000年から20年間積立

またまた大きく変わります、インドネシア、インド、NYダウとなります。

後は積立投資の期間が長いとマイナスに沈む国が減っています、今大騒ぎをしているアルゼンチンでさえプラスのパフォーマンスです。

トルコもマイナスですが1割程度の負けであれば他で取り戻せるのではないでしょうか。

2015年一括投資、その後現在まで保有

これは例えば金融機関の窓口で対象国の投資信託を案内を受けて購入し、そのまま保有し続けた場合の様なケースです。

ここ5年だとブラジル株がパフォーマンストップです。

流石にトルコ、アルゼンチンは大幅下落です。

ただ、為替がそれ程変化していない中国と変わらないのもなんだか不思議に見えます。

2010年一括投資、その後現在まで保有

ここだと米国、ベトナム、日経平均です。ここ10年のパフォーマンスが日本人にとって日本株が世界でも上位だったのがやや驚きです。

積立投資の10年と比較すると大きな違いはブラジルとロシアが積立ではプラスなのに一括投資はマイナスな事です。

同じ期間でも投資のやり方でパフォーマンスが変わる典型的なケースです。

2000年一括投資、その後現在まで保有

これは素晴らしい結果です、アルゼンチンもトルコも含め皆黒字です。

インドネシアはテンバガーです。

結果から見える投資法についての考察

今回の検証の結果見えてきたのは以下の通りです。

為替

  1. 世界中の為替は日本円に対して弱い→日本円はここ20年間世界最強の通貨
  2. 特に新興国は大幅に円高、海外投資は円高を覚悟すること
  3. 新興国と米国では為替の変動が大きく違うので同列には出来ない
  4. 米ドルに連動させるペッグ制を採用している場合は通貨は比較的安定する、ただ、政策が変わるリスクもある

株価

  1. 全ての国でここ20年間上昇している
  2. これからは未知数だが新興国の株価上昇率は大きい
  3. 一方で日米の上昇率も新興国に対抗できるレベルではある

投資の仕方

  1. 1カ国に集中した投資をするとインドネシアの様に大きく儲かる場合もあるが、トルコやアルゼンチンの様に為替の急変などありかなりリスキー
  2. 一括投資は投資をするタイミングによってパフォーマンスが同じ国でも大きく変わり、安定しない
  3. 一括投資で負けているからといって長期でおけば回復するか?は現地通貨ベースでは望みがあるが日本円から見ると余り可能性は無い様に思える
  4. 積立投資は期間が長い方がパフォーマンスが安定する
  5. アルゼンチンやトルコと言ったかなり為替の打撃を受けた国でも損失を最小限にできたり利益を上げる事ができる

我々が投資をする場合の心がけとは?

以上から考える新興国への投資の心がけです。

  1. 投資案内には長期の株価が掲載されている場合が多く、多くは上昇。ただ、為替の長期の動きもよく調べる事
  2. 1カ国に集中しすぎない事、できれば複数
  3. 下落した時は追加購入を複数回行う事
  4. 下落→放置は最も危険、これをするなら撤退を
  5. 考えるのが難しい場合は複数の国を積立か定期的に時期を決めて等金額投資が安全

です。

となると今の金融機関の売り方はどうでしょうか?

良い時に勧めて負けてくると損切り、乗り換えになってないでしょうか?

下落した場合は追加投資が有効でデータを示して最初から案内してくれてますでしょうか?

また、新興国の成長率や過去の株価の上昇のデータはパンフレットに必ず掲載されてますが、我々は日本人です。円との長期の為替も示されているでしょうか?

また、今回日経平均も意外と捨てたものではないというのも明らかになりました。

今後も色々検証していきます。