以前株式で新興国に投資をすると、現地の株価は総じて上昇していて成長率が高いと株価が上昇しているが為替が大幅に円高でした。
ここ20年で新興国で円安になっている新興国通貨が無い事実も明らかになりました。
と言っても国によっては為替の下落を跳ね返し、株価が上昇している国も数多くありました。
新興国の株式ファンドは証券会社にとって顧客に訴えやすい商品の1つです。では新興国の債券投資はどうなのでしょうか?
相変わらずデータを取れるのが会社で、エクセルを自宅PCに転送できないのと、打ち込み直すと綺麗なのですが、やたら時間かかるので申し訳無いですが、今回もデータは写真です。
ブラジル債券
全体です、これだと細かすぎるので
実際には金融機関ではブラジル国債ではなくて社債にしている場合がほとんどです。ただ、シュミュレーションのデータとしては政策金利を使います。現実には5年や10年の債券が一般的です。20年は見たこと無いですが一応載せています。
15年は最初計算しようとして載せたのですが、あまりに表が伸び伸びになってしまったので計算を載せて無いです。次の国からは15年は省く予定ですが、今回せっかくつけたから金利の表だけ載せています。
データではここ20年間の為替推移、5年、10年、20年の金利の累計を載せています。税金と手数料は考慮していません。
これから見えるのが、直近のブラジルの政策金利は5%とかなり低くなりましたが、今まではかなり高金利だった事実です。
こちらが表の右側で、実際にこの金利で投資をしたと仮定して、その都度その為替で金利を受け取って結果がどうだったかをシュミュレートしたものです。
ここで共通しているのが為替はずっと円高で、元本は損をしています。2010年などは48円台で今が26円台なので元本が半分程度で、2015年から期間が倍にもかかわらず2015年からの5年投資に負けています。
2000年からはかなり増えていますが為替の影響も大きいです。
ロシア
ロシアは1週間預金金利を使います。過去に物凄く金利を動かしてきていて2004年は0.1%な時もありました。
ロシアはこの5年で見るとルーブルは安定していて、5年投資では元本が増えています。一方で10年投資は金利が低い上に為替も負けていて元本割れです。
20年で見ても為替の目減り分と金利の受け取り分があまり変わりません。20年投資して16%の利益なら税金支払いが20.315%なので果たして儲かっていたかどうかですね。
まとめ
今後日本で一般的に販売されている外債に検証を広めていきますが、とりあえずこの2カ国についてです。
特徴
- 金利は高い
- 為替は円高基調
まず、金利ですが、ブラジルだと
- 5年で71.25%
- 10年で107.5%
- 20年で380%
一方で収益率が
- 5年で61%
- 10年で37%
- 20年で125%
ロシアの金利は
- 5年で46.25%
- 10年で31%
- 20年で100%
収益率が
- 5年で51%
- 10年でマイナス11%
- 20年で16%
とかなり乖離があり、これが為替の影響です。
良く、証券会社が売り込む際に「この債券は5%です、5年持てば25%なので為替が25%目減りしても大丈夫です」みたいな話を聞いたこと無いでしょうか?
確かに間違いでは無いのですが仮定として、満期直前まで為替が一定で満期の時だけ大幅下落したらという仮定です。実際には為替は毎日動くので受け取り金利は上下します。
表にもありますが、これらの債券は固定金利なので現地の通貨で支払う金利の額は全く変わりません。為替を通じて円に転換した時に金額が変わってしまうのです。
ならばずっと現地通貨で運用したらいいのか?となるとそうもいかないのが、我々は日本人なので円にいずれしないといけないのと、実はブラジルは現地通貨で置いておけない通貨です。これは金融の規制がそうさせています。代表的な国ではインドも同様です。
また、過去から見て今が1番円高なので都度都度金利は円にかえて受け取った方が良かった事になっています。
外国債券を購入する際に、金利だけで惑わされることなく、過去の為替の推移も良く見てから判断する方がいいと思います。