リバースモーゲージは役立つか

リバースモーゲージ、利用者が拠出金 返済不足に備え2019年12月2日日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52836200R01C19A2NN1000/

  • 三菱UFJ信託銀行は「リバースモーゲージ」で返済不足に備えた仕組みをつくる
  • 利用者が亡くなると自宅の所有権は相続人ではなく、三菱UFJ信託に移す
  • 死亡後に三菱UFJ信託が自宅を売って融資額を回収
  • 自宅の評価額が借入額を上回れば親族などに相続し、不足すれば拠出金から出す
  • 利用者が資金を出し合ってリスクに備える仕組みは日本初
  • 自宅の資産価値の50%を上限として一定額を毎年借りる定額プランを用意
  • 初回の借入時に限度額の5%の額を拠出分として支払う。さらに税別10万円の信託報酬を支払う
  • 当面は東京23区に住む70歳以上を対象
  • 定額プランでは借入限度額の10%分を毎年受け取る

リバースモーゲージは歴史は古くて1981年に東京都武蔵野市で導入された公的プランが最初の様です。

リバースモーゲージの歴史 宮田総合法務事務所 https://legalservice.jp/topics/10448.html

家はある、けど長生きした場合にお金が足りない、なら金融機関が融資して相続発生まで金利払って、相続時に売却して清算する仕組みです。

日経新聞にも多数記事があります。

リバースモーゲージ、豊かな老後の支えになるか2014年7月25日日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXNMSFK2401E_U4A720C1000000/

ここでは取扱金融機関とその内容を詳しく書いています。

<三井住友信託銀行>

担保となる不動産価値が8000万円以上限定+遺言信託利用必須

<東京スター銀行>

土地面積60平方メートル未満は不可、利息は預金連動型。マンションは地域限定で借入金額は最大1億円

<みずほ銀行>

1000万円以上なければ利用は難しく、最大2億円

<りそな銀行・三菱東京UFJ銀行>

住宅支援機構の融資保険を利用している。土地は40平方メートル未満、または建物は70平方メートル未満だと取り扱い不可。担保評価は住宅金融支援機構が行い、評価額の50%までが融資可能額。利用できる地域は、三菱東京UFJ銀行は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、りそな銀行は全国対応。

<西武信用金庫>

東京都と神奈川県、埼玉県の一部が取り扱い地域、朝日信託とリバースモーゲージ信託の契約を結ぶ必要がある。不動産の面積や評価額に制限がない。

とまぁ色々です、色々書かれてますが、リバースモーゲージは平たく言うと住宅を担保にローンを借ります。住宅ローンの逆ですね。

リバースモーゲージの弱点は?

イエウールのブログに細かくありました。

リバースモーゲージは慎重に!知らないと大損の可能性がある3つのリスクとその対処方法についてhttps://social-news.info/201?gkey=6464105667_78524373558_382563344527_g_b_リバース%20モゲージ&OV_REFFER=&gclid=EAIaIQobChMIrrfHh_qV5gIVSraWCh3kIg-CEAMYAiAAEgLh6PD_BwE

メリットデメリットが書いてあってわかりやすいです。メリットは不動産を現金化できるので生活費の足しになる事です。

デメリットは3つ書いてます

  • ① 長生きに対してのリスク
  • ② 金利上昇のリスク
  • ③ 不動産の評価額の見直し

だそうです、つまり、生きているうちは元金の返済は不要でも金利は払うので長生きすると金利支払いが増えるのと、金利上昇が起こると金利支払いが増える、不動産価格下がると担保要求されるかも、とおよそお金を借りているリスク満載な気もします。

結局は普及しない理由もわかります、元々資金余力のある人に貸したいわけでそんな人はお金を借りなくても良い人です。

自分の家を担保価値とみなして借りる場合、上がりそうなのか、下がりそうなのかを検討しないと手を出せません。

となると三大都市圏か、場合によっては東京周辺だけとなります。

そうなると冒頭の記事は画期的商品に見えて実は結構不要かもしれません、何せ東京23区に限ってますので。

こんな否定的意見もありました

リバースモーゲージ、普及しますか?2018年11月13日日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37645170S8A111C1I10000/

  • マンションや、一戸建てでも建物部分はほとんど評価の対象になりません
  • 担保価値が認められるのは原則として土地だけ
  • リバースモーゲージには契約期間が20年などと設定されています
  • 契約期間を超えて債務者が長生きした場合、現金で債務を一括返済することも可能ですが、年金以外に収入のない高齢者には容易でない、返済できない場合は、債権回収のために抵当権が実行され、債務者は家から追い出されることになるのが基本ルール
  • 金融機関も高齢者を追い出す様になるので余り手を出したくない

新しいポイントです、期限があるようです。

となると長生きは金利支払いだけでなく、将来の返済義務まで出てくる様です。なら、借りても上回る収入が上がるような仕組みを備えるか、早く亡くならないといけません、本来の目的からは外れる気がします。

また、こんなリバースモーゲージもありました。

家を担保に融資 リバースモーゲージ、保険付きが拡大https://style.nikkei.com/article/DGXMZO39911880R10C19A1PPE000/

  • 住宅金融支援機構が金融機関と保険契約を結んで融資する新タイプのリバースモーゲージ「リ・バース60」が伸びている
  • 担保割れして処分する事態においては機構が負担して相続人に責任が及ばない様にする。

ホームページですhttps://www.jhf.go.jp/loan/yushi/info/yushihoken_revmo/index.html?utm_source=Google&utm_medium=listing&utm_campaign=jhf_rebirth2019&utm_content=specified&gclid=EAIaIQobChMIlYPr57qW5gIVBXZgCh0T8QhWEAAYASAAEgLeZPD_BwE

こちらを見ていると、相続時に支払い&余剰が出たら遺族に支払いがあるそうです、これなら安心できますね。

リースバック

セゾンのリースバックというのもあります。https://www.fundex.co.jp/kojin/product/leaseback/index.html?PHPSESSID=32lu5hsl98ghbr0qbkspfg9ai1

これは家をまずセゾンに売却し、再度セゾンから家を賃貸する仕組みです。

ただ、この場合、自宅が本当に高い価格で売れるのか?問題が残ります。競争がないので。

また、資金管理をしっかりしないと、これも長生きリスクは出てきそうな気もします。

まとめ

結局リースバックもリバースモーゲージも余り普及しない気がしました。

理由は

  • 担保に不動産が来るので土地を保有している人しか利用できない
  • 消費に回すために借りるローンなので金利を上回る収入を運用などで得ないと最後利息が大きくなる
  • 金融機関の対象になる不動産はリースバックもリバースモーゲージをやるより普通に売却して買い換えた方が良さそう

なんだか家を買うために住宅ローンを組んで金利を支払い、今度はリバースモーゲージで借りて利息払って使って、家を売却して返済って人生金利かよって思ってしまいました。

例えば30歳で30年ローンで買って、65歳でリバースモーゲージで30年間借りて亡くなったら家で返済ってちょっと侘しい感じもしました。

それなら最初から売却して買い換えるか賃貸で資金を浮かせる方がいい様な気もします。

あとは売却代金を年間3〜4%で配当や利息を受け取れる様にして、家賃を支払いつつ、少しずつ取り崩していくのも方法です。

リバースモーゲージやリースバックは今の家に住み続けたい気持ちが強い人には良いですが、そうでないか、資産価値として落ちそうなら選ばない方が無難な様に思えます。