2020年1月4日の日経新聞朝刊産業天気図特集より
今年の各主要産業の天気図から今年に厳しそうな分野、好調な分野のテーマを考えてみます。
今回は全体のポイントを抜き出して並べてみます、次回からは拡大分野ごとに主要テーマに沿った会社を複数取り上げていきます。調べる手段はネットと四季報ですので誰でもできる方法です。
全体
- 晴れは2業種、薄日8業種
- 曇り7業種
- 小雨8業種、雨5業種
好調分野のテーマ
晴れ
- 旅行・ホテル
- オリンピックイヤー、訪日外国人需要拡大
- 建設・セメント
- 建設はオリンピック需要終了、セメントに相次ぐ再開発を受けて都市再整備、インフラ需要
薄日
- 情報
- 2000社が利用の独SAPのERPの旧版が2025年にサポート終了、更新需要盛り上がり
- IOT、AIがテーマ
- リース
- 国内は省人化対策、災害に伴う建機ニーズ
- PC更新需要減退懸念、外需の低迷懸念
- 家電
- 高機能スマホ好調
- オリンピックイヤーでテレビ需要
- 海外大手との競合懸念
- ネットサービス
- 5G関連盛り上がり
- 決済関連は先行投資費用大
- ドラッグストア
- インフル対策
- インバウンド需要
- 大手が食品、調剤を増やし、中小企業を取り込む
- アミューズメント
- 任天堂スイッチ、ソニープレステ4の新作
- クラウドゲーム拡大
- Eスポーツ拡大
- スマホゲーム低迷
- 広告
- ネット広告拡大
- 既存マスコミ向け苦戦
- 人材派遣
- 働き方改革による正社員の不足を補う
- 製造業派遣は米中貿易摩擦懸念で苦戦
ここから今月しばらく、上記の晴れと薄日のテーマに即した関連銘柄を上げて解説を加えていきます。
その前に今回は残念ながら曇りや小雨、雨に入ってしまった分野でどんなことが原因でダメなのかを並べてみます。
曇り
- 石油
- シェールオイル拡大による価格低下圧力継続
- 化学・繊維
- エチレン受給緩む
- 米中貿易摩擦影響国内にも波及
- 中国企業との競合激化で市況低迷
- マンション・住宅
- 価格高騰による販売減少
- 体力ある大手は売り急がないので価格が下がりにくい
- 通信
- 楽天の本格稼働に伴う業界の値下げ競争激化懸念
- 食品・飲料
- 消費者の節約志向拡大
- ノンアルコール、チューハイ増加→高価格帯ビール低迷
- 中食需要増加
- 電子部品・半導体
- 自動車、産業向けは米中貿易摩擦で低迷
- 5G関連拡大、半導体底入れか
- 百貨店
- 訪日外国人向け化粧品拡大
- 日本人向け需要低迷
小雨・雨
- 鉄鋼・非鉄
- 米中貿易摩擦継続
- 中国企業との競合懸念
- 電力
- 大手と新電力の競合
- 新電力は原発政策遅れで安い電気を調達できない
- 紙・パルプ
中国の環境規制により中国の古紙輸入減少で国内古紙余り価格低下→段ボール価格低下圧力増大懸念
- 自動車
- インドやインドネシア、中国の低迷
- 背景に環境規制
- 規制に対応できている車種を揃えている会社とそうでない会社の違いが大きい
- プラント・造船
- プラントは人件費高騰
- 造船は海外との競合激化
- 産業・工作機械
- 米中貿易摩擦と自動車低迷の影響
- 5G需要あるが業界全体を押し上げる規模ではない
- 精密機械
- デジカメ、スマホ競合激化
- ミラーレスカメラ一服
- 働き方改革で複合機需要伸びそう
- 医薬
- 薬価改定が20年から隔年→毎年へ
- ジェネリック業界がさらに圧迫される懸念
- 貨物・輸送
- 米中貿易摩擦で国際貨物低迷
- 国内はドライバー不足で人件費高
- スーパー
- 大手スーパーは増税のキャッシュレス対応対象外
- 人件費高騰
- コンビニエンス
- 人件費高騰
- 働き方改革
- キャッシュレスに伴う増税軽減の対応適用は追い風
- アパレル
- 増税に伴い高級品低迷
- 外食
- 増税影響
- 人件費高騰
まとめ
好調な分野についてはこれから複数回で特集していきます。その前にある程度共通しているコメントを抜き出してみます。
良い分野の良いテーマ
- オリンピック
- 訪日外国人、インバウンド需要
- 働き方改革
- 人手不足
- Eスポーツ等新分野
- 5G、AI、IOT
悪い分野の悪いテーマ
- 米中貿易摩擦
- 中国との競合
- 環境規制
- 働き方改革
- 人手不足
- 増税に伴う節約
悪い分野の中の良いテーマ
- 環境規制対応できている会社
- 働き方改革で複合機需要伸び
- 中食需要拡大
- 訪日外国人向け化粧品拡大
- キャッシュレス対応
株式市場は美点凝視です、なので悪い分野の悪い内容はひとまず置いておいて、悪い分野の中の良いテーマも分析対象に加えていきます。
印象に残るのが、働き方改革に伴う人手不足、人件費高騰が影響を受けて困る会社と追い風になる会社があるということです。ここも見ていきます。
悪い分野の悪いテーマは今後解消見込みが出た段階で改めて取り上げたいと思います。
株式市場ではこれらのテーマが繰り返し出て、一部を取り上げて上昇する会社もあり、下落する会社もあります、全てを網羅するのは厳しいですが出来るだけ多くの企業を取り上げていきたいと思います。