都市鉱山 一般ごみは金銀の宝庫 日経産業新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO45961120R10C19A6XY0000/

記事のポイント

  • 焼却灰から選別した粒径が2~4ミリメートルの原料に含まれている金の含有率は220PPM
  • 金鉱山で鉱石1トンから採れる金の量は平均すると3グラム程度とされ、含有率にすると3PPM
  • 太平洋セメントは、資源リサイクルを手掛けるエンビプロ・ホールディングス(静岡県富士宮市)やリバーホールディングス(東京・千代田)とも協力
  • 一般ゴミの焼却灰から金などの金属を回収する技術やシステムが確立されれば、眠っている国内資源の有効活用に役立ちそう

都市鉱山という言葉自体は昔からある言葉で産業廃棄物処理を手掛ける会社が携帯電話やおもちゃ、家電などに使われている金やレアメタル等を処理して精錬しなおして販売を行っています。

ただ、まだまだコストの問題から本格的には実用化されていないのが現状です。

ここでは金について記述がありますが、日本を巨大な鉱山として捉えると金の埋蔵量では世界の埋蔵量が推定5万トンに対してその6800トンあるといわれています。金の現在の世界の量が18万トンと言われているので全てを回収できたと仮定すると世界の3%近くが日本にあるという計算になります。

現在は焼却炉がリサイクルを可能にする想定をしていなかったため大規模な改修が必要になるので一気に進むことはないですが、黄金の国ジパングに再びなれるチャンスが目の前にあります。

世界の金融市場は不景気になるたびに大量のお金を増刷して量的緩和を繰り返しており、今後も紙のお金は増える傾向です。想定外のインフレが日本にも起こる可能性もあります。

その中で実物資産の保有による資産の価値の保全は重要な課題です。

今すぐに相場の材料になる話ではないですが、将来日本が金やレアメタルなどの輸出国になれる可能性を秘めている話なので面白いと思います。

現状ではリサイクルを行うシステムが確立されておらず、産業廃棄物は埋められたり、海外のリサイクル業者にごみとして安い価格で輸出されているのが現状です。いわば国富の流出です。

また、家電などのリサイクルのシステムも変える必要もあると思われます。

現在の粗大ごみは出す側がお金を払って回収してもらうシステムで非常に面倒です。これでは出さなかったり、山に捨てられたり隠す人が出るのも当然です。

もし、リサイクルシステムが完備されれば資源として売れるので業者の利益に貢献します。

そうなれば各家庭の家電などのゴミはいわば金やレアメタルの鉱石と同等の存在なので業者がお金を払って回収できるようになります。

そうなるとゴミを埋めたり、隠したりする人はいなくなるし、国も積極的に補助金を出せるようになります。

今まではゴミだったものが資源に変われます。早く実用化されてもらいたいものです。

最後に記事に紹介されていたエンビプロ・ホールディングスは東証一部上場会社です。なにかと産業廃棄物の会社というと色々言われてしまう存在ですが、資源が無い日本においてとても重要な役割を果たす会社です。

今後に期待したいと思います。