フリーランスとシェアオフィス

フリーランスの人数

「フリーランス」170万人に 2019年11月4日日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGKKZO51772030T01C19A1CC1000/

  • 労働政策研究・研修機構は4月、フリーランスが国内に約170万人いるとの試算をまとめた
  • 「本業」とする人は約130万人、「副業」は約40万人
  • フリーランスの仕事による平均年収(税込み)は「50万円未満」が最多

フリーランスに関する推計値は発表するところによってまちまちです。

以前の記事です。

フリーランス300万人超 2019年7月25日 日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGKKZO47729060U9A720C1EE8000/

  • 内閣府は24日、フリーランスとして働く人の数を306万人から341万人程度とする推計を公表した
  • 最大の推計値である341万人には個人事業主だけでなく、法人を設立した人も含まれる。
  • 341万人のうち、本業がフリーランスの労働者が228万人、副業が112万人と推計した
  • 就業者全体における本業がフリーランスの人の割合は3%程度で、米国の6.9%に比べると半分以下にとどまる

年収の実態

日経新聞の11月4日の記事にある円グラフです

生活をするにはせめて300万円か400万円は無いと厳しいので以下の人は副業の割合も多いと思います。

この数字だけをみてフリーランスは稼いでないと考えるかと言うとそうでも無い数字があります。

転職支援のデューダがホームページに掲載している年収のデータがあります。https://doda.jp/guide/heikin/age/

こちらは世代別の平均年収なので正社員含みます。ここで見ると20代で300万円台、あとは10歳年を取ると100万円ずつ上昇しています。

フリーランスで年収300万円以上が3割程度ですが、100万円台以下が殆ど副業であろうことを考えると実際に本業として取組んでいる人が半数ならば割合6割になり、正社員とあまり変わらないことになります。

もちろん福利厚生であったり、年金など社会保障が少ないため同列に比較はできません。正社員が低いのかフリーランスが高いのかはともかく実際フリーランスを本業にしている人が実は正社員とあまり変わらない収入を手にしている人が多いのでは無いでしょうか?

また、統計の取り方、フリーランスの定義によりますが1000万人を超えているという試算もあります。

ランサーズ調査https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1115835.html

ではフリーランスの存在感は?

これは戦国マーケティング社がホームページで掲載しているランチェスター戦略のシェア一覧です。http://www.sengoku.biz/%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%81%e3%82%a7%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%81%a8%e3%81%af/%e7%ac%ac%ef%bc%92%e7%ab%a0%e3%82%af%e3%83%bc%e3%83%97%e3%83%9e%e3%83%b3%e3%83%a2%e3%83%87%e3%83%ab%e3%81%a8%e5%b8%82%e5%a0%b4%e3%82%b7%e3%82%a7%e3%82%a2%e3%81%ae%e7%a7%91%e5%ad%a6

とりあえず日本のフリーランスは11月4日の記事だと日本の労働人口の3%なのでとりあえずなんかいるなぁ程度です。内閣府の試算なら労働人口の5%なので影響力はないけどとりあえず存在感が出てきた段階と言え、国や新聞が時々取り上げる存在になりつつあります。

参考値ですがランサーズの統計通りなら1000万人超はもう少しで上位目標値なのでかなり社会的に大きくなってきています。米国では、これも取り方によりますがフリーランス人口が5700万人というデータがあり、2017年時点で労働人口の36%、現在は4割の安定目標値にに到達しつつあります。

https://wisdom.nec.com/ja/business/2018070301/index.html

シェアオフィスの将来は?

先ほどの米国の例で行くと2027年にはフリーランスと正社員が逆転すると試算されています。

近年話題のシェアオフィスの黒船ウィーワークですが、今の日本では何が何だかの存在です。そりゃそうで労働者の3%が利用する程度ですから。

まだ日本ではフリーランス=フリーター=非正規社員→正社員になれない可哀想な人々の印象が強く、政治家も特に野党中心に頭が古く、正社員と労働組合の意識が強いので、法整備が全く追いついていません。

私に言わせると政治家こそフリーランスみたいな仕事なのにと思うのにどうも家業で企業みたいな意識で政治家がいるので新しいものを受け入れられてない気がします。

ただ、米国で起こった変化は日本でも必ず起こります。あと10年後には日本もフリーランスが主な働き方になっていると思われます。そうなった時ですが、大きなオフィスを中心部に構える需要はどうなるのでしょうか?

世の中フリーランスが主な働き方となるとオフィスをわざわざ大都市に高い賃料で構える需要が減る可能性があります。

となるとオフィスビルも自宅もシェアオフィスも境目がなくなってきます。郊外の空き家を安く借りてオフィスにしてもいいし、ウィーワークの様なシェアオフィスでもいいし、両方でもいいです。静かに働ける環境があればいいわけです。

また、会議も今の大企業の様に集まる=会議ではなくて、時間を決めてパソコンやスマホで話せれば会議になるわけで、大きな会議室は必要な時だけ借りればいいことになります。買う必要や常に借りる必要がなくなります。

となると、将来困るのが不動産会社や不動産賃貸業者となってきます。もちろん一定程度組織化された企業向けのオフィスは必要ですが今よりは需要が減り、場合によってはこれもシェアオフィスが入り込んでくる可能性があります。

一方でシェアオフィスに大きく舵を切ったり、オフィスにウィーワークの様に会員同士の繋がりを作る様な会社は生き残るように思えます。

また、不動産投資の常識、都会、駅近が良いという常識も変わってくる可能性があります。

まだ早い考え方かもしれませんが、不動産投資は長期借入を前提とした投資なのでこれからは考えないと20年後には世の中が変わって全く借り手がつかない可能性も考えられます。

自然豊かな所に安く住んで普段の仕事はゆっくり自宅で行い、必要な時は大都市の会員のシェアオフィスに向かい、会議や打ち合わせは大半ネットで、面談が必要な時はシェアオフィスを利用みたいな働き方が近づいているように感じます。

今や車、家がシェアが出て、オフィスもシェアになりつつあります、所有するステータスより利用する便益を重視する時代になり、利用して追加の利益が得られないなら他に変わる時代になってきたと言えます。

今のところ銘柄では対象が少ないです、3479TKPくらいかなぁと思います。今後増えてくるし既存の不動産大手も取組んでいるので対象銘柄は広がると思います。

世の中企業に属さないで個人で活動したりする人を昔は無職と言い、ちょっと下に見ていました。これがフリーター→非正規雇用→フリーランスと段々と名前が変わりイメージも変わってきました。

就職できない弱者のイメージから企業に属さない新しい働き方を模索するカッコいい人々になりつつある様に思えます。

今後も注目分野です。