人生100年対応と積立投資

投信長期にシフト 2019年7月27日日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGKKZO47852650W9A720C1MM8000/

積み立て投資 毎月同額投資 リスク分散 2019年7月27日 日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGKKZO47867940X20C19A7EA2000/

  1. 運用が始まってから期間が10年以上たった投信は、18年度に4358億円の資金が流入、データのある1997年以降で最大
  2. 積み立て投資のサービスを利用する口座数はネット証券大手のSBI、楽天、マネックスで18年度末に約66万と4年で4倍に増えた
  3. 米国の証券会社などは長期の運用成績が優れた投信を優先的に顧客に薦めている。50年代に運用が始まったアメリカンファンズの「ワシントンミューチュアル」は半世紀以上たった今も投資家の人気を集める。モーニングスター・ダイレクトによると、18年度の純資金流入は5000億円近くに達する。

感想及び解説

人生100年時代将来に備えて何らかの貯蓄は必要です。将来の年金がどうなるかを悩み、考えるのも大切ですが、国の制度を案じてもわかる訳も無いので自分である程度備えないといけないと思います。

一方で過度に若いうちから貯蓄に走りすぎるのもいかがなものかと思います。20代の収入と40代では収入が違うケースも多く、20代の内はある程度の無駄遣いが後に良い経験だったり、自己研鑽で勉強したり、旅行したり経験を積むための消費も立派な自己投資です。

では、両立させるために何が必要かというと

「ある程度の金融知識を身に着け、制度で利用できるものは利用し、自身が65歳を迎える時期に2000万から3000万円程度はたまっていそうな水準位は貯蓄と投資を考えること」だと思います。

例えば間をとって2500万円とすると毎月の貯蓄金額が割り出せます

例えば全て金利が殆んどつかない普通預金で置いた場合は

  • 25~65歳 40年間 5.2万円×12×40年=2496万円
  • 35~65歳 30年間 6.9万円×12×30年=2484万円
  • 45~65歳 20年間 10.4万円×12×20年=2496万円

です。退職金制度がある会社に勤めている場合はここから退職金を引いても良いわけで絶対に貯めないといけないことでは無いですが、それぞれの世代で月々の負担を考えると、やや過大な印象があります。

これを見て不安材料を利用して世の各業者が商売をしています。

  • 保険会社が貯蓄保険や生命保険で備えましょうと言ってくる
  • 儲けの方法教えます的な学校、投資顧問の勧誘等です

証券会社や銀行は投資商品を販売して手数料を稼ぐことが売上を上げるためには第一なのでボリュームを求めるので貯蓄をこれからやろうとする人々は商売上対象外です。

毎月10万円の積み立てをしてくれても手数料率が3%なら3000円、それなら1000万円の案内をして30万円の方が効率的ですし時間の節約になる訳で、基本、相手にされません。

では、このような世の中でどうすれば解決の方法の一つになるかというと「積み立て投資」が一つの解になる可能性が有ります。

まず、株式投資の長期リターンですが、データを取る時間によって変わるので今後も同様ということではありませんが、1974年から2014年のデータで見ると日本6.6%、米国14.2%、世界では11.9%です。

ただ、これはバブル期も含むし今後も同様ということでは無いです。ただ、この数字の半分で見ておいても悪くはないと思われます。

では、2500万円を仮に全て世界中の株式市場に投資を行う株式ファンドで運用し、長期リターンを5%とした場合の積み立て必要額はいくらでしょうか。

楽天証券に簡単に出せるシュミュレーションがあります。

https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/saving/simulation/

これによると2500万円を達成するためには5%ならば

  • 40年間だと約1.6万円
  • 30年間だと約3万円
  • 20年間だと約6万円 と大幅に減ります

仮に保守的に見て3%だとしても

  • 40年間だと約2.7万円
  • 30年間だと約4.3万円
  • 20年間だと約7.6万円 となります。

毎年数%違うだけなのに長い年月を経ると大きな違いになります。積立に必要な金額も3割から7割減ります。長ければ長いほど効果も大きいです。

一方で積み立て投資で注意するのは何で投資をするのか、また将来どうやって使うのかです。

何で投資をするかは各人の考え方にもよりますが、私が考える商品は以下の様に考えます。

  1. 入口手数料の無いノーロード投信である
  2. 出来るだけ複数の国の株式市場に分散されているインデックスファンドである
  3. 信託報酬が抑えられている

です。

積立投資は相場下落時も積立を継続するので同金額投資でも株価が高い時に購入している口数と安くなった時の購入口数が変わり、安い時の方が口数が多くなるので平均購入単価は安くなることが多いです。

また、相場が下落しても追加で買う訳なので下落を喜んで良い気持ちで投資が継続できるので個別株式や投資信託を購入してタイミングを図るよりも気楽にできます。

しかし、注意点が大きく2つあります。

  1. 将来資金がたまってきた場合、どの様に売却するのか
  2. 相場の下落時に耐えられるか

積立を実際に行うと20代や30代は全て株式で良いと思います、まだまだ先は長いので考えなくて良いと思います。問題は40代を超え、50代に入ってくると積立期間がまだまだあるとはいえ既存の商品の残高もある程度貯まっています。

ここでの運用方法ですが、「100ー年齢=株式比率」まで株式型商品の比率を落として安定運用部分を増やしておくことです。

40代くらいから比率を調整しても良いかもしれませんし50代でも構いません、また、必ずしも年齢で切らなくても良くてその時の相場によっては多めに株式資産を減らしておいても構いません。ただ、年齢が上がるに従い、貯めるから使うに変化するので成長から安定に資産もシフトした方が良いと考えます。今ならば米国債の様な商品にです。

これを行うことにより相場の下落に耐えられる様になります。20代や30代は下落歓迎、40代もまぁ大丈夫です。ただ、50代や60代はこれから積み立てる資金よりも既に貯めた資金の方が大きくなるので株式以外の商品へのシフトを行い、気持ちを楽にしておくことで相場の下落が起こっても安心していられるようにしておく必要があります。

また、積立投資は問題点として以下があります

  1. 刺激がない
  2. 結果が中々出ない

積立を行うまでは色々勉強もし、考えますが、積立を始めた後はまぁ何もないです。比率を調整し始めるのが50代くらいからと考えると何十年も見なくても良いくらいです。

また、上がっても下がっても取り崩さず積み立てる訳なので結果は出ません、しかも将来に備えたお金なので何十年も先のお金です。

しかし、これで良い人も多いと思います。今将来に備えた年金が足りないとか、自助努力とか言われていますが、預金だけで全てを貯めるのは大変だしインフレリスクも負います。ならばせめて月々数万円でも積立投資を行い、運用益を得られる方法を導入する事を考えてみてはどうでしょうか。目標が同じでも積立なければならない金額が大幅に減ります。

積み立てNISAやiDeCo等の制度も利用し、複数の積立商品を継続すれば何かがあって使わないといけなくなっても解約しやすいです。

今からでも少し始めるだけでも人生変わると思います。

最後に、人生で何事も相談できる相手、仲間はとても大切です投資を始めることは割と簡単です、しかし続けることはとても大変です。

お金のことは話しにくいかもしれませんが、出来れば仲間づくりを行い、話し合える人を作ると良いと思います。

仲間がいれば継続できると思います。