AI時代の生き残り術 自ら考える努力、継続を

意味とらえる力を磨け 国立情報学研究所教授 新井紀子氏 

2019年6月17日日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO46106980U9A610C1TCL000/

  • 頭脳労働の一部がAIに取って代られる事は間違いないが、AIに人間が支配されることもない。
  • 数値処理がAIは得意なので金融への影響は大きい
  • 今後は世の中は想像できないほど変化する、なので安定を求めて公務員がいいとか大企業なら安心とかの考えでいることが最も危険
  • いつの世でも有能な人は重宝される、それは「読解力と論理力を備えた人」
  • コミュニケーション能力を持ち、能力を磨く努力を怠らない人は常に需要がある

記事自体に銘柄が乗っているわけでもなく、経済の現状を表しているわけでもないのですが、私自身AIに対しての恐怖ばかりあおる今の社会にやや違和感を感じていたので同じ考えだなぁと思って投稿しました。

機械のような人はAIに取って代られるし、安定を求めて職場で安穏としている人も、とって代られる時代になった、ただそれだけのことだと思ってます。

私のいる金融業界も大きな変革期です。

なぜ、大手の金融機関が苦しんでいるのか?を考えると、表面的にはAIの進化で今まで金融機関が膨大な費用をかけて築いてきたシステムが新しい技術によって安価にできるようになり、手数料が下がり、人員や店舗の維持に苦心しているからとよく言われます。

では、店舗を削って人員整理をすれば復活するのか?と言われるとメガバンクや大手証券、保険会社含めて大半が縮小均衡に陥るだけだと考えています。

やはり、金融は人が重要な役割を果たします。単純な決済や少額の運用程度ならばネットで安価な手数料の所で十分代替を果たしますし、経営から降ってきた金融商品を言われるままに販売するだけの人員ならば不要です。

ただ、問題は、ネットでひたすら手数料が安くなっても、どれだけ優れた提案を画面上で見られるようになったとしても、最後に決断をし、責任を引き受けるのは自分自身です。

お小遣いならともかく、相続で受け継いだ大金や不動産売却資金などおよそ手にしていなかった大金を運用するとなるとどうでしょうか。

やはり、信頼できる相談相手や後を押してくれる人が必要なことに変わりはないと思われます。

しかし、今の金融機関は販売には熱心でも一人一人の状態に合わせたコンサルティングを行い、金融商品の研究を行ってきたかというと答えはNOです。

だからこそ、そんなところに相談するくらいならば手数料が安くて余計なことを言わないネット銀行、証券が台頭してきているわけです。

一方でネット金融機関側もインフラはとても優れたものを持っているものの、人がいないため大きな資金を集めきれずに現在に至ります。

そこでIFAの様な証券代理店を募り、最後は人が資金や顧客を集める戦略をとってます。

ただ、それもまだ既存の金融機関からの脱出組が作っているためそれほどやり方に斬新さは見られないのが現状で伸びているといっても既存金融機関の牙城を崩すほどには至ってません。

記事にもありましたが、人と人のコミュニケーション能力、読解力と理解力を高めて結局は人と接することがAI時代に生き残る人だし、そういう人を集めた会社が金融に関わらず生き残る企業であると改めて認識させられました。

プログラミングを学ぶのも、英語を学ぶのも大切ですが、それより、大勢の友達と一緒に何かを成し遂げるとか、日本人らしく国語をしっかり学ぶ自然と触れ合うとかの大切さもわが子にも教えたいと感じる記事でした。