かんぽ生命と金融機関①

かんぽ ノルマ偏重見直し 2019年7月10日 日経新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO47191210Q9A710C1EE9000/

  1. 顧客に不利益をもたらした契約は10万件を超える
  2. 二重払いの返還を進める
  3. 乗り換えで無保険になることを防ぐ制度を導入
  4. 郵便局員への過剰なノルマが不正につながったとみて、新契約をとった販売員に対する評価体系や目標設定を見直す
  5. 金融庁も処分を検討

感想

ゆうちょ銀行の高齢者に対しての投信販売の勧誘が不適切だったことに続いてかんぽ生命のあまりに酷い勧誘の実態に同じ金融機関に所属している身としては唖然としています。

今回の不正の行われた原因は以下のように考えます

  1. 上場前まで金融庁ではなく総務省の管轄で金融機関に課せられた検査はなかったため非常にルールが緩かった
  2. 顧客が国家を信頼している高齢者層が多いため、金融知識もあまりなく、担当者に言われるがままに加入していた
  3. 企業として売上げを上げさえすれば何をやってもよい文化があった

個人的にはノルマ制が温床と経営陣が言うのも間違っていると思います。責任は放置していた経営陣にも大いにあり、会社として、金融機関として顧客のお金をどう扱うのが顧客に資することになるのかを全く考えずにいて、現場には数字だけを下してただ、締め付けていたのではないでしょうか。

私も金融機関経験20年になりますが、ノルマ制を廃止しようが、しなかろうが、何も変わりません、営業をしている人と、マネージャーが心から顧客のためになる金融サービスとはいったい何で、そのためにどのような金融商品が必要なのかを考えて1から設計しなおさないと結局は「のど元過ぎれば・・・」の格言通りで経営が苦しくなったら数字を現場に下し、また、営業は同じようなことを違う手口でやってきます

極端なことを言うと一度清算してしまった方が世の中のためですが、国が株主なので難しいでしょう。

もう一つ腹立たしいのが、財務省です。以前からの復興に充てる費用として売り出した株の資金を充てることが政策として決まっていたとはいえ、金融庁から報告を受けてない訳がありません。にも関わらず、かんぽ生命の売り出しを強行して後でこのような事案を発表させています。これが資本主義のあるべき姿か?と思います

今回の事件を見ていると売り出しの資金が欲しい国は知らなかったふりをして株を株主に売りつけて知らんふり、経営陣は現場がノルマに走ったからダメなんだと現場に押し付け、現場は上が厳しいし、生活のためなら何をやってもいいんだと顧客に損を押し付けと国の看板を利用した国家的詐欺に近い事件です。

これでは貯蓄から投資へなど流れが進むはずはありません。

ただ、顧客側にも責任はあります。金融知識を仕入れず、ただ、言われるがままに支払っていた責任があります。

自分の身は自分で守る。まずは契約内容を見直して、自分にとって必要かどうかを再考して、次の提案が来ても安易には乗らずにじっくり調べてから動くべきです。

ここでもきちんとした金融教育の必要性を改めて感じた記事でした。

明日は他の金融株との比較を載せます。