アメリカの2兆ドルの対策について

米、企業・個人に安全網 2020年3月28日 日経新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57322010X20C20A3EA2000/

米国がコロナ対策として大規模な経済対策を打ち出しました

この記事では大まかに絵でわかりやすく示しています

また、別のサイトでも詳しく出ているところがあります

米上院が可決した、史上最大2兆ドルの景気刺激策の内容とは? 

http://agora-web.jp/archives/2045092.html

各詳細な内容については各新聞、サイトを読んでいただければわかる話なので、ここではこの経済対策の目的と今後の予想される経済の動きについて考えてみたいと思います。

経済対策の目的

一言で言うと「時間稼ぎ」だと思います。

内容の大半が企業の資金繰り支援、生活補償、失業手当の拡大で説明がほとんどついてしまいます。

外出禁止、渡航禁止となればここ1ヶ月はアメリカ経済は止まっている状態です。景気がいいとか悪いとかの話ではなくて文字通り止まっているので失業者も増えるし企業も持たない状態です。

コロナが収束するまで自宅でおとなしくしていなさい、命令する以上当面の生活費は面倒みてあげる、大企業、中小企業問わず資金繰りは支援してあげると言うわけです。

この中でとてもいいなと思ったのは大きく3つ

  1. 規模がとても大きい上にスピードが早い
  2. 現金が手元に来るのでわかりやすい
  3. 中小企業向け融資は雇用を維持すれば返済免除なので失業を抑える効果がある

です、日本みたいにお肉券とかわけのわからないことを言う国とえらい違いを感じます。

では経済はどうなるか

現れてきそうな話としては当面起こりうる話と将来の話に分けた方がいいと思います。

当面の話

  1. 債券を中心とした金融マーケットの動揺はだんだん収束に向かう
  2. 株式市場は企業業績が見えてないので動揺は続く
  3. コロナが収束するまで時間が見えないので油断はできない

1についてですが、今回企業や個人への補償とは別にアゴラの記事でこの様に書かれています。「企業を軸とした4,540億ドルの支援について明記した条文には「企業や州政府、地方政府などへの貸出を支援する金融システムに流動性を供給する目的で、FRBにより設立されたファシリティーあるいはプログラム」との文言がある」これは今後FRBが日銀化する第一歩です。

株も買う、社債も買う、とにかく景気にマイナスなので金利は上げないという強いアメリカの意思です。

これにより、買入対象はおそらくBBB以上かA以上の格付が高い債券になると見られますが実施されると直接買入対象の債券から順次波及し、結果的には債券市場が落ち着くと見られます。

副作用として格付機関の影響力が強くなることも考えられます。株も上場しています。

2と3としては株式市場は3月だけでも大いに下がり、そして大いにあがりました、変動幅が激しいし今回の対策が出て、効果があるから底入れだなんて意見まで出始めました。

が、まだこの対策だけでは不十分と見ています。

確かに当面の生活費や資金繰りはこれで大丈夫なので世界大恐慌にはならないと思います。

でも肝心の消費の拡大や企業活動の活発化となるとコロナで自粛となると抜け落ちています。今回の対策は大規模ですが「つなぎ」の側面が大きいと言うわけです。

株価は企業の売上や利益が伸びてこそ上がるもので、今期の決算がどうなるかわからない中ではなんとも言えません。株式市場はまだ動揺が続くと見ています。

コロナ収束→アメリカ企業の活動再開が世界の株式市場の動揺を抑える一番の薬になります。

将来の話

とても懸念していることととても期待していることがあります。

とても懸念していること

インフレです。今回アメリカだけではありません、ヨーロッパも日本も中国も世界中が財政規律という文言が消えました。危機を回避するためならばお金なんてどんどん出せばいいんだ、これは戦争だ!という調子です。

コロナがいずれ収束したのちに今回の経済対策や中央銀行の供給金額がどのくらいになるのか不明ですがとてつもない金額のお金が物凄いスピードで供給されることだけは間違い無いです。

FRBの資産購入ペース 金融危機後の15倍に  2020年3月25日 日本経済新聞 

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57162250U0A320C2FF1000/

インフレで強いと言われている資産は株式、不動産等が挙げられます。今は難しくとも将来を考えて検討はしておいた方がいいと思います。

とても期待していること

株価や不動産などの価格の上昇です。

世界中がパンデミックとなり、世界同時不景気になりそうです、収束時期はまだ不明ですが終わりはいずれやってきます。終わる時期が早いと景気の谷も浅く、その後の上昇も低いですが、これが数ヶ月続くとなると景気の谷が深く、対策も第2弾、第3弾と出て山が高くなります。

今はとても苦しい時期で人命が第一なのでお金がどうとか言えない状態です。

ただ、世界中が戦争状態で、お金を出すためならばなんでもやると言うつい前に義論が出ていたヘリコプターマネー論やMMTと言った中央銀行が国債を引き受けて財政政策を行う事が名前こそ出ませんが事実上世界中ではじまりました。

一度手をつけた以上後戻りはできません。

今はコロナ後を見据えて自宅でゆっくり考える時期だと思います。