楽天経済圏支えるクラウド基盤と楽天株式について 

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO46195320X10C19A6XV7000/

2019年6月18日 日経産業新聞

  • 楽天がグループ横断のクラウド基盤の全社展開を進めている
  • 楽天の各サービスを通じて集まるデータを一元管理して分析、結果はセキュリティーに配慮しながら全社横断で使えるようにする
  • すでに8割以上のグループ会社がクラウド基盤に移行済み
  • 三木谷浩史会長兼社長は「(楽天市場の流通総額で)5兆円、10兆円を目指すために、夢ではなく実現可能な計画を立てる」と語る
  • 中長期的な課題の解決にグループ横断で取り組む組織が楽天技術研究所、日本と米国、フランス、シンガポール、インドの5カ国に拠点を構え、約150人の研究者を擁する。国籍は30カ国・地域に及び、日本人は少数派だ。7割がコンピューターサイエンスの博士号を持つ

楽天の株式と将来性について結構興味があって取り上げました。

株価は2008年から2012年くらいまでは400円程度から800円程度の上昇でしたが、アベノミクスもあり、2015年には一時2400円程度まで上昇しました。

しかし、携帯事業参入の話が出て、今後の資金負担などで不安感が広がったことなどにより、下落に転じ、2018年は700円台へ、2019年6月18日時点でも1258円、時価総額1.8兆円とピーク時の約半分程度で推移しています。

最近の明るい話題といえば自動運転の米国での大手のリフト株の筆頭株主だったこと等が上げられますが、2019年と2020年は売り上げは伸びるものの、営業減益が続くため、まだ、本格回復には至ってません。

現在のPERは約24倍、来期も減益のため29倍に上昇見込みで割安感はありません

では全く買えない株になってしまったのかというとそうでは無いことが記事から見えます。

現在はここ10年近く取り組んできた全社横断システムの改変時期で、記事には現在楽天の根幹である、楽天市場の基幹システムを統合にかかっているようです。

楽天の狙う楽天経済圏とは、楽天で買い物をして、楽天カードで決済を行い、楽天銀行から引き落とし、旅行も楽天、投資も楽天証券と楽天ひとつで生活からレジャーまで済ましてしまう、いわば壮大な囲い込み作戦です。

これに今度楽天のスマホが加わります。

楽天のスマホ自体周りで使っている人が少ないので感想を聞く機会がまだ少ないのですが、料金的には既存キャリア大手の平均を6-7000円程度として、4-5000円程度の2000円程度安い設定になるように料金設定をしてきているようです。

また、AUやドコモの回線を使用するなど品質には問題はなさそうです。

そうなると、入り口が楽天のスマホで、そこから入って楽天で買い物や決済、預金や投資となると、ポイントが積立投資でも付くなど特典もあるのでなかなか抜け出られないことになってきます。

まだ、ここ1-2年は業績が投資によって減益決算ではありますが、スマホ事業の会員数の伸びがどれだけ進むのかが今後のカギになると思われます。

個人的には携帯電話料金はもっともっと安くなると思うし、他キャリアが携帯電話で利益を上げる一方で楽天は携帯電話はあくまで楽天経済圏への誘導の入り口手段です。となると、ここでどんどん儲ける必要はないので積極的な値下げ策を打ってくると思われます。

と、なると、携帯業界においても脅威になるし、楽天経済圏は活性化してくるとみています。長期的に随時買い増ししていい株なのではないだろうかと思います