ソフトバンクビジョンファンドの2番目のファンドが発表となり、孫正義社長のインタビュー記事があちこちに出ていました。この中で日本企業については「投資したいが投資できる企業がない」と厳しいお言葉、日本で育ち、両親も日本にいて、世界に飛び出した孫社長だからこそ、日本を思っての言葉だと思います。
真摯に受け止めないといけないと同時にソフトバンクビジョンファンドとソフトバンクグループ株を考えてみました。
今走っているソフトバンクビジョンファンドはどのような地域のどのような企業に投資をしているのでしょうか。勉強の意味を含めて2019年5月の決算発表資料を見てみました。
ちょっと残念なことにやはり日本企業がありません。米国46%アジア40%EMEA(欧州、アフリカ)14%となっています。決算説明会では既に82社の投資を決めているようです。
2019年5月9日の決算説明会で大きく紹介されていたのが
- 中古車eコマースプラットフォームの「Guazi(瓜子二手车:グアヅゥ)」
- Guardant Health
でした
1のグアヅゥは中国市場でアプリで中古車を取引できるプラットフォーム企業で2018年には取引台数が70万台を突破し、売上高は前年比2倍だそうです。今まで中古車市場は各ディーラーの手を経ていたため15-20%割高で取引されていたところをグアヅゥが直接仲介するので安く、しかも大規模に取引出来るようにした所が人気を集めているようです。
2のガーダントヘルスですが、こちらは血液からがん検診を行えるようにした会社で全米がんセンターに全て導入されているようです。血液検査だけで癌がわかるようになると、今までの検診のシステムが大きく変わりそうです。
また、ソフトバンク全体についてですが、決算説明会資料ではソフトバンクのグループ株主価値が23兆円あることが強調されていました。
企業価値をこれだけあるんだ!と強調した説明会は私は見たことがありません、少なくともスライドの最初に強調したものは無いように思えます。一株当たりの価値も出していて21,688円(分割前なので今は10,844円)です。本日株価5885円の約2倍です。
理由は
- 株主価値23兆円=保有株式27兆円-純負債4兆円
- アリババ13.1兆円+ソフトバンク4.5兆円+スプリント2.8兆円+アーム社2.7兆円+ヤフー0.6兆円+ソフトバンクビジョンファンド持分3.2兆円+その他0.5兆円で27兆円
- 負債の考え方が、15.7兆円あるが、グループ会社保有の負債9兆円は独立採算でグループ本体とは切り離していること、残った6.7兆円についても現金が2.3兆円あるので実質の負債は4.4兆円しかない!
- 今後も保有株式資産に対しては上限25%以下になるように運用する
となっていました。
株式投資を行う人からすると、実際に保有している株式の資産価値や不動産の価値、保有現金と借入金の考え方はしっくりくるかと思いますが、企業経営者がこれだけ投資している企業の株式があるから大丈夫だ!という考えは、じゃあ株価が下落したらどうするの?と思ってもしまいますが、ビジョンファンドの全ての銘柄を調べきれてはいませんが、どの業界でも面白い将来性のありそうな会社が溢れているのは事実です。
サラリーマン社長にはどう考えても理解出来ない考えではないでしょうか。
最近AIファンドとか色々な投資信託が流行っています。しかし、ソフトバンクはもはや大きな投資信託といってもいいかもしれません。
ただ、既存のファンドと大きく違う凄い点はソフトバンクは殆どが未上場株を握っていて、これから上場させるという点です。株式価値27兆円のうち、ビジョンファンド分は3.2兆円分しか計算していません。
また、アーム社は未上場なので今後再上場してくるとこれも含めて10兆円とかになるかもしれません。今後2号ファンドも12兆円規模で出てきます。
これも育ってきて3号、4号と出てくると本体のグループの時価総額も何倍にもなれる可能性を秘めています。
もともと株式投資や投資信託投資はリスクを背負うものなので、どうせならこの会社で背負って孫さんに運用を任せるのも手です、ファンドマネージャー孫正義といった所です。
そういう意味ではとりあえず迷ったらこの会社の株を購入しておくのも手かもしれません。