高配当株より連続増配 2019年7月10日 日経新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO47141240Z00C19A7EN1000/
- 配当利回りの高い銘柄を束ねた「日経平均高配当株50」の配当込みのベースでみると年初来の上昇率は3%と日経平均株価に5ポイントほど見劣りする
- 強固な事業基盤を持っていて、株主に還元を積極的に行う会社が評価されている
- 一つの解が連続増配だ。三菱UFJリースやKDDI、NECネッツエスアイなど10年以上、増配を続ける銘柄は株価の好調さが目立つ
記事には個別銘柄で事業基盤がしっかりしている会社でないといくら高い配当を出していても減配リスクがあるから株としては買われないとかいており、私もまったく同意見です。ただ、文中に、一つの答えとして連続増配を取り上げていましたが、本当に連続増配が投資を行う上でどうなのか、連続増配をテーマとした金融商品は買いなのか?を考えてみました。
と、いうのが、これは証券会社的には面白いテーマ型ファンドを売り込める話だからです。検証してみます。
連続増配銘柄をパッケージとして購入できる金融商品はいくつか国内でも取引されており、以下の商品が調べると該当しました。
- 1494 One ETF 高配当日本株 S&P/JPX 配当貴族指数に連動
- 2065 NEXT NOTES 日本株配当貴族(ドルH、NR)ETN
- SMT 日本株配当貴族インデックスオープン
- 野村継続増配日本株
これらを各商品の設定来の日付から日経平均やTOPIXと比較してみました
うーん、、、といった結果になってしまいました。まず、連続増配をテーマにしたETFや投資信託は軒並み日経平均に勝てていないのが今の日本の現状です、TOPIXに対しても苦戦しているのでわざわざ連続増配だからというのは個別銘柄はともかく、テーマ型ファンドやETFで行う必要はなさそうです。ここは金融機関の売り文句にのってはいけません。
ETFで購入するにしても上記の2銘柄の増配テーマのETFは出来高が少なすぎて投資を行える状態ではありません。
一方で日経平均に連動しているETFの1321はもう歴史が18年になるのに殆ど実際の日経平均とのずれも少なくて投資対象として非常に信頼できます。
また、上昇相場だったからという理由が一番大きかったですが、もっともパフォーマンスがよかったのは日経平均の値動きの2倍を目指すETFの1570日経平均レバレッジでした。変動幅が2倍なので上昇も下落も2倍でリスクも大きく、また、長期保有だと実際の日経平均の動きとずれが大きく出るリスクがあります。
実際に日経平均は設定来2.27倍ですが、レバレッジは4.32倍なので本来ならば4.57倍にならないといけないのですが、完全には連動していません。
ただ、2012年の設定がアベノミクス直前というのもあり、上昇相場前に設定したのでこれまでは非常に良いパフォーマンスを上げてきました。
結果として日本株投資だと、まずはオーソドックスに日経平均連動の1321がまず継続投資に向いていて、上昇期待が高い場合は1570を絡めて投資を行うのが良さそうで、余りほかの分野に行き過ぎる必要は無いとみられます。