関西のマンション高騰

関西マンション 価格高騰 7月平均4700万円:日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGKKZO49097920Y9A820C1LKA000/

記事のポイント

  1. 不動産経済研究所(東京・新宿)によると、近畿圏2府4県の7月の新築マンションの契約率は83.1%、一方、首都圏の契約率は67.9%にとどまる。
  2. 獲得競争の激化はマンションの販売価格に波及している。7月の平均価格は1戸あたり4713万円と前年同月比3%上昇し、27年ぶりの高い水準。北摂エリアの高騰が目立つ。首都圏の平均価格は6000万円を超える月もある。

割と簡単な記事ですが、そろそろピークに近いかな?と思わせる記事です。私は大阪で証券営業を行なっています、関東勤務もあるので両方見てきました。

感覚的に大阪やその周囲は東京を中心としたエリアに比べると同じような物件なら3割くらい安くて妥当かな?と思います。

平均賃金にはそれほど差がないにしても、本社機能が少なく、富裕層の規模も違います。もちろん、抜けた資産家がいるのも事実ですが、数が違うように感じます。記事内でも6000万円を平均価格が超えてきている関東圏でそろそろマンション買いにくい雰囲気が漂っているとありますが、3割引くと関西は4000万円程度がいい所かなと思うので4700万円は限界値をやや超えていると思われます。もしかすると、投資用の関西以外の資金が入ってきているのかもしれません。東京から見ると関西の物件は安く見えるものです。

よくある話ですが、関西の不動産業者は関東で投資用物件を捌きに行くときがあります、価格が普段高いので大阪、神戸の中心部の物件だと関西人から見て買いにくくても買い手がつくケースが多いようです。

私のお客様でもこの手で希望価格より高く不動産を売却されてました。買主は見にこないまま購入したようです。

後でどんなことになるかはわかりませんが、不動産版アービトラージといった所でしょうか。

不動産絡みの話はよく聞くので最近の話をまとめてみました。

  1. 投資用不動産を購入しようとしていた人が満足いく利回りが確保できないため我々に証券での運用を依頼するケースが増えてきた。
  2. 不動産会社の社長が、最近はプロのマーケットでの入れ替え案件はあるが、新規に購入する案件は減ってきたと話していた。
  3. 長年不動産の収益物件を購入している投資家がここ1年以上購入を控えている。
  4. ホテルも数は増えているが関西のホテルが飽和状態になってきており、大阪市内ではまだ埋まるが、大阪市を外れると空いているホテルも目立つようになってきた、宿泊費も安くなり始めている。
  5. 大阪市中心部のビル再開発で当初ホテル誘致を狙っていた会社がホテル業者が余りに周囲に多いので見送り、オフィスビルに計画を切り替えた。
  6. 割と庶民的な地域を走る関西私鉄沿線の地域で新築80平米のマンションが8000万円以上のマンションができて売れ行きがやや難しい状態だそう。

と、色々な不動産がらみの話をまとめてみました。私は関西在住なので関西の話ですが、その道のプロがいう話ばかりなのでちょっと不動産市場には不安を感じています。

JーREITは?

現在JーREIT指数は2100前後で推移していて、かつての平均的な水準は上抜けています。現在金融市場では利回りに飢えた資金が溢れており、また、株式市場の低迷もあり、行き場のない資金が集まっている状態です。日銀の買い支えも安心材料です。

このままいくともしかすると2007年の2600も取りに行くかもしれません。なので今は買いでいいと思います。

ただ、チャートを見ると過去は2100前後から高値までは半年程度で一気に駆け上がり、その後は急落、リーマンショックの起こった2008年10月には1/4になっています。期間はたった1年半です。

この時は金融機関の機能不全が起こっており、毎月賃料が入るREITが2社倒産するという異常事態も起こっていたので今とは単純比較はできませんが、元々市場規模は小さいマーケットなので注意は必要です。

足下不動産はそれなりに好調です、ただ、冒頭書いたように、プロの人々が手を引いていたり、ホテルも飽和状態なので、オフィスREIT、マンションREIT、ホテルREITは警戒です。また、物流REITはアマゾンなど宅配の拡大で伸び余地がありそうですが、エンジンが1つでは心もとないです。

ヘルスケアREITについては少し懐疑的で、介護施設が増えすぎており、土地の仕入れ値がやや高すぎるようです。また、最近の人手不足で人員がいなくて倒産したり、入居者を絞る業者が出ている話も気になります。

今はJーREITを保有している人はニュースに敏感になりながら売却する時期を探る段階だと思いますし、これから参入する人はここから半年位で売却する、逆に半年保有で儲からなければ損切り覚悟での参入でないと厳しいように思えます。

来年に向けて東京オリンピック、横浜や大阪のカジノ構想、2025年の万博と話題はありますが、カジノと万博はやや先の話で、もしかすると一旦市場が冷え込んだ後の次のテーマかもしれません。

また、素直な気持ちなのですが、大阪市内や近郊はタワーマンションラッシュです、次々と建てられるマンションをみて、すごいなぁと思う反面、何億も出す人そんなにいたかな?とか、誰がそんなに高い家賃払うの?とか、そもそも関西圏って人口減るんじゃなかった?とか考えてしまいます。

未だに政府の発表する景気データは悪い数字があまり無いですが、金融市場も不動産市場も冷静にみないといけないタイミングに入っていると思います。